札幌市立高・特副校長・教頭会 生徒と一緒に考えて 通級指導で道教大・山下氏
(札幌市 2024-01-18付)

高・特副校長・教頭会研究協
高・特副校長・教頭会研究協

 札幌市立高校・特別支援学校副校長・教頭会(蒲生崇之会長)は昨年12月下旬、市立札幌大通高校で5年度第4回研究協議会を開催した。道教育大学札幌校の山下公司准教授が講演し、高校における通級指導について「生徒と一緒に考える」支援を期待した。

 研究協議会に先立ち、山下准教授が「通級指導についての理解を深める」と題して講演した。

 様々な困り感を持つ子どもたちの特性について、学習のつまずきや意欲の低下などにつながりやすいと指摘しつつ「これらはマイナスとは限らない」と強調。

 「“こだわり”は“深く追及する”」「“多動・衝動”は“行動力がある”」など「環境要因が整えば特性が個性になる」と話し「良さを生かし、苦手さを補う周囲の理解やサポートが重要」と訴えた。

 通級指導教室では、自分の良さを発揮したり、教員や友達と協力しながら苦手なことに挑戦したりする中で「成功体験を積み、自己肯定感を高めることを大切にしている」と紹介。当該児童生徒が在籍する通常学級と連携しながら、日常生活や普段の学習に向かう力を育む重要性を伝えた。

 支援に当たっては「これができるようになりたい」「こんなことを頑張りたい」など“子どもの願い”をスタートにすると「子ども自身が主体的に活動に取り組んだり、目的意識を持って活動に向かったりすることが可能になる」と話した。

 高校での通級指導に当たっては、困り感を抱える子はどの校種にもいることから「特別なことはない」と前置きしつつ「発達のステージが進むにつれ、新たな困り感が出てくることがある。これまでやってきた支援を校種間で引き継ぎ、それをもとに支援を考えていくことが大事」と助言した。

 また「小・中学校から発達段階が進んでいるからこそ、支援を生徒と一緒に考えることができる」と述べた。

 講演後、蒲生会長が開会あいさつし、教職員の心身の健康や過日公表されたいじめ重大事態などを話題に、教職員や生徒にとってより良い環境をつくる重要性を強調。「働き方改革は教職員だけではなく、生徒のためでもあるということを意識して取り組んでいきたい」と述べた。

 このあと、各連絡協議会、推進委員会、特別支援学校の担当者による活動状況報告などを行った。

(札幌市 2024-01-18付)

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