札幌市教委 人間尊重教育フォーラム 自分が大切にされる学校 生徒会活動報告や推進校発表(札幌市 2024-01-17付)
発表した4校の生徒会に大きな拍手が送られた
札幌市教委は昨年12月下旬、市内の共済ホールで「人間尊重の教育」フォーラムを開催した。市立小・中学校の管理職や教職員ら約300人が出席。中学校4校の生徒会による自治的な活動の成果報告や、研究推進校による実践発表を通じて、一人ひとりが“自分が大切にされている”と実感できる学校づくりへの意識高揚を図った。
市教委は前年度から、学校教育の重点の基盤に「人間尊重の教育」を位置付けている。学習環境づくりと環境づくりを相互に関連させた取組によって、子ども一人ひとりが“自分が大切にされている”と実感できる学校づくりを進めている。
昨年2月には、市内小中学生の共通の合言葉「さっぽろっ子宣言“プラスのまほう”」を策定。宣言の実現に向けて、子どもたちが自らの意志で課題の発見・解決を目指す「さっぽろっ子自治的な活動」を展開している。
あいさつに立った長谷川正人学校教育部長は、対話を重ねて共通項を見いだしていこうとする子どもたちの姿に触れ「これからの活動推進に生かせるように“子どもと歩む”とは何かについて考えを深め、積極的に協議を重ねてほしい」と期待した。
つぎに、教育課程担当課の吉田卓矢企画担当係長が行政説明。次年度以降、全ての教育活動において「子どもの声を聴く」ことを重点に据える展望を示し、子どもたちの要望をより一層聞き取る場として「さっぽろっ子子どもサミット」の開催も検討していることを明かした。
市内中学校4校の生徒会が、さっぽろっ子自治的な活動の推進・充実に係る取組を発表した。
西岡北中学校は校区内の小学校と連携した「あいさつ登校」の様子を報告。小学校との交流促進や、近隣住民との相互認知を通した地域活性化を成果として示した。
中央中学校は、全市の取組をプラスのまほうの頭文字に沿って分析。
P(ポジティブ)には、あいさつに関連する取組が多く該当し、参加者が前向きになれるものが多かった。L(ラブ)の好例では異学年交流を通じて互いを思いやる機会を育んだ。個性を認め合うU(ユニーク)の取組は、中学校12校のみで報告され、小学校にも広げる必要性を指摘。S(スマイル)に該当したものは参加型やボランティアの要素を含んでおり、小中高共に取り組みやすいと報告した。
分析結果を受けて、自治的活動を活発化させるために「先生方に他校との交流の機会を確保してもらいたい」と結論付けた。
北栄中学校は、さっぽろっ子子どもサミットの内容を提案。各校の活動を紹介し合う「取組交換会」や全市の学校が一丸となって活動を進める「記念日制定」などのアイデアを挙げた。
新琴似中学校は、サミットでの話し合い形式を提案。他校との交流方法について、他校生徒を交えた小グループ協議、自校の取組を複数校に紹介するプレゼン交流を例示した。
このあと、多様性に向き合う学校教育の推進をテーマに、重点課題「多様な性」「アイヌ民族に関する学習」「帰国・外国人児童生徒等への支援」について、研究推進校9校が実践を紹介した。
(札幌市 2024-01-17付)
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