札幌学院大経済学科が特別講義　新札幌のこれから探る　西川青少年科学館長招き

（札幌市 2024-01-16付）

学芸員２人が簡易的な熱気球を実演した

　札幌学院大学（河西邦人学長）経済経営学部経済学科は昨年１２月中旬、新札幌キャンパスで札幌市青少年科学館と連携した特別講義を行った。西川英一館長が現在改修中である施設概要や再開発事業の意義、まちづくりの考え方などを講演。サイエンスショーで「科学の学び」を体感し、新札幌の中心施設の在り方を共に考える契機とした。

　同学科では、専門科目「経済学特別講義」において、一般企業や市町村で活躍する人材を講師とするリレー形式の講義を展開している。ことしのテーマは「新札幌のこれから」。まちづくりの考え方や計画・開発に関わるプロセス、周辺施設の関わりなど地域に密着した経済学的な視点を深掘りしている。

　１２回目となった今回は、西川館長と科学館職員が訪れた。

　西川館長は講義で、前年度、地域の活力向上への寄与を努力義務化した改正博物館法、市が定める科学館条例に触れ、科学館が地域連携の使命を帯びていることを強調。

　札幌市教委と北海道ヘルスケア産業振興協議会、札幌学院大、札幌看護医療専門学校、北海道ハイテクノロジー専門学校が締結している科学館の有効活用や科学技術に関する知識の普及・啓発に関する包括連携協定を挙げ、再開発の拠点として果たす役割などを説いた。

　直面している課題として、直近の入場者数の約６割が子どもだが、少子化に伴ってその傾向は減少していく見込みであることを提起。今後は大人もターゲットにした経営が求められていることを説明した。

　そこで、年齢を問わず楽しめる展示の開発に取り組んでおり、改修後は、２階に雪氷エリア、３階にボディアドベンチャーを設置することなどを紹介。

　後半は、学芸員２人によるサイエンスショーを実施した。ビーチボールをブロワーで浮かせてコアンダ効果を実演したり、煙を含んだ空気砲を発射し空気の流れを視覚化したりした。ビニール袋に含ませた空気をヒートガンで熱して、簡易的な熱気球も見せた。

　終了後は、大人層を呼び込む提案として大学生から「プラネタリウムの結婚式場化」「大学のコスプレイベントとのコラボ」など想像力豊かな考えが挙がった。

　西川館長は「公共施設は使ってなんぼ、使われてなんぼ。今後とも、大学生の皆さんのアイデアを参考にさせてほしい」と締めくくった。

(札幌市 2024-01-16付)