札幌市　４年度保育士等実態調査　４９４施設の４割人材不足　有資格者平均初任給は増額

（札幌市 2024-01-16付）

保育士・保育教諭の平均初任給（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市子ども未来局は、４年度保育士等実態調査の結果を公表した。市内の認定保育所など４９４施設のうち、約４割に当たる施設が「人材が不足している」と答えた。また、有資格者の平均初任給は３年度と比べて増額し、月給や勤続年数もやや改善していることが分かった。

　調査は、市内の認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所計５３５施設が対象。令和４年４月から５年３月に、オンライン上で行った。回答率は９２・３％だった。

　保育士と保育教諭の充足状況を尋ねると、「不足している」施設は３９・７％で、過去２年と比較すると最も割合が高かった。

　特に、「不足している」と答えた認定こども園は４１・８％と、３年度の２２・６％から大きく増加している。同局によると、１年間で認定こども園が４６施設増えたことが影響しているという。

　１施設当たりの平均不足人数は１・８人で、過去２年の２・１人からわずかに減少した。

　不足している理由（複数回答可）は「退職・休職」が７５・１％と最も多く、次いで「求人募集を行っても、補充できるだけの人員が集まらない」が６８・１％となっている。

　保育士と保育教諭の平均初任給をみると、全体平均は１８万８２０８円。大卒は１９万３５７４万円、短大・専門卒は１８万２８４３円だった。

　前年度と比べると、大卒は１万円ほど、短大・専門卒は６０００円ほどの増額となった。

　また、フルタイム勤務者の平均月給は２５万６４６５円（３年度２４万４６５９円）、平均勤続年数は８・０年（同７・８年）で、いずれも前回調査より改善している。

　保育士を養成する学科を設置する市内および近郊の大学や短大、専門学校を対象に、学生の就職状況などの調査も併せて行った。１６校が回答した。

　４年３月の卒業生８５５人の進路を尋ねると、保育の仕事に就いた割合は８０・６％だった。このうち半数が市内での就職だった。一方で、保育の仕事以外に就いた割合は大卒者で高く、２３・３％に上った。

　学生に人気の高い保育施設の傾向を尋ねると「職場の雰囲気が良い」「給与が他施設より高い」が上位となった。

(札幌市 2024-01-16付)