3年理科で沖縄県中学校と遠隔交流 互いの考察比べ課題解決 国研協力校の札幌厚別南中
(札幌市 2024-01-15付)

厚別南中・教育課程実践検証協力校
厚別南中・教育課程実践検証協力校

 国立教育政策研究所の教育課程実践検証協力校・札幌市立厚別南中学校(市川恵幸校長)は昨年12月21日、国研の神孝幸教育課程調査官を招き3年生理科の1授業を公開した。沖縄県石垣市立白保中学校とオンラインで交流し、単元を貫く学習課題に対する考察などを発表し合う活動を設定。生徒たちは、互いの考察の相違点や類似点を見いだし、課題解決へのヒントを得た。

 厚別南中は本年度、教育課程実践検証協力校事業に指定され、理科の研究を推進。地球領域を窓口として、異なる地域の学校との交流を通して学習への動機付けを図り、主体的に学習に取り組む態度を育む授業づくりを行っている。

 今回、3年1組「宇宙を観る」(長谷川彬人教諭、生徒数33人)を公開した。

 白保中とのオンライン交流は、全18時間の単元のうち2回計画。

 前回の交流は2時間目に実施し、互いの気候の違いなどに関する交流を通して、単元を貫く学習課題「札幌と石垣のいろいろな違いに、太陽はどのように関係しているのだろうか」を設定した。

 2回目の交流となる本時(8時間目)では、学習課題に対し、既習から導き出した考察や取り組んだ実験・観察の内容を話し合う活動を設定。考察の相違点や類似点などを見いだし、課題解決に役立ててもらうことをねらった。

 導入で長谷川教諭が交流の目的や手順を説明したあと、ズームのブレイクアウトルームを活用し、生徒たちはグループごとに白保中と交流を開始。どのような学習課題を設定したか、どのような学習に取り組んできたか、現時点での考察などを発表し合った。

 厚別南中の生徒たちは、実験を演示したり、探究の過程をまとめた資料を提示したりしながら「南中高度の違いが影響している」などと考察を話した。また、白保中の生徒の発表に対し「どんな実験をしたの?」などと質問し、学びを深めた。

 授業後の協議で神教育課程調査官は「単元の導入でオンラインを活用することで、問題を見いだし、進んで探究しようとする姿勢に高まりが見られ、動機付けとして効果的だった」と講評。

 その上で「今回の2回目の交流でも、これまでの探究の過程をまとめ伝えようとする姿が見られた。前日の放課後も熱心に追実験をしたり、考察内容をまとめたりと、交流に向けて意欲的に取り組んでいた」と述べた。

(札幌市 2024-01-15付)

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