札幌市教委 CSを学ぶ会 札幌らしさ視点に熟議 導入への困り感や課題共有(札幌市 2024-01-12付)
札幌市教委CSを学ぶ会
札幌市教委は昨年12月26日、市内のSTV北2条ビルで第2回「コミュニティ・スクールを学ぶ会」を開催した。6年度から10年度にかけて順次導入が始まるコミュニティ・スクール(CS)について「札幌らしさ」を視点にグループごとに熟議を重ねた。小・中学校それぞれの立場から導入に向けた困り感や課題を共有し、パートナー校・地域・家庭と連携していくための見方・考え方を広げる契機とした。
各校の管理職、小中一貫した教育の実務担当者ら約90人が参加し、2会場に分かれ並行開催した。
地下1階会場では冒頭、市教委学校教育部教育課程担当課義務教育担当係長の髙橋謙介指導主事が学校運営協議会制度の仕組みを概観。市においては「学校を核として子どもと社会をつなげる」ことを重点に置いており①「小中一貫した教育」と連動した仕組みとすること②「さっぽろっ子自治的な活動」とCSをつなげて「子どもの声」を学校運営に反映させること―を説明した。
①では、小中一貫による“縦”の継続と地域・家庭との“横”の連携によって多くの協働機会が生まれること、②では、子どもの「したい」「やりたい」提案をCSが応援するという「対話による合意形成」を図る場が創出されることを期待した。
具体的な実践例として、ある生徒会の「あいさつ運動を地域に広げたい」との願いを、CSが商店街での旗掲出や保護者への腕章配布を通じて、具現化した事例を共有。
「市教委としてCSナビやハンドブック作成など必要な支援を講じていく」と補足し、最初から完璧を目指すのではなく「小さく始めて、大きく育てる」ことの重要性を呼びかけた。
熟議では「札幌らしいCS導入に向けて何ができるか」をテーマに、困り感や課題を意見交換した。
コロナ禍の影響で失われた地域との結び付きを取り戻す負担感を指摘する班では、地域にCSの意図を説明する機会を確保する必要性が話題となった。
円滑な導入を実現するための体制づくりを叫ぶ班からは、全教職員間の認識を高めるために、パートナー校同士で学校行事を積極的に合同開催するなどの手だてが挙がった。
取組内容を変えるのではなく「地域や学校の実情に応じて取り組み方を変えるべき」と結論付けた班では、子どもの声をより一層拾い上げるために「実施後のアンケート項目を児童生徒に考えさせては」との意見が出た。
ある教頭からは「CSはもちろん子どもたちや地域のためでもあるが、何よりも先生たちのためでもある。CSの目的を明確化することが大切」と感想の声が上がった。
(札幌市 2024-01-12付)
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