札幌市中学校教頭会 新年講演会 “伝える”こと大切に HTBアナウンサー招き
(札幌市 2024-01-15付)

札幌市中学校教頭会新年講演会
札幌市中学校教頭会新年講演会

 札幌市中学校教頭会(田中健児会長)は9日、ホテルライフォート札幌で5年度新年講演会を開催した。北海道テレビ放送㈱(HTB)編成局アナウンス部長兼報道情報局スポーツ部の林和人アナウンサーが「11年半にわたるイチモニ!出演から学んだこと、伝えること」と題して講演。校内で様々なことを伝達する機会が多い教頭約100人に対して、思いを伝える面白さを強調した。

 開会に当たり、田中会長があいさつ。元日に発生した能登半島地震の被災者が「希望を持って新年を迎えていたと思うと本当に心が痛む。心よりお見舞い申し上げる」と述べた。参加者に向けて「今後も心身共に活躍を願う」と期待の言葉を贈った。

 講演の冒頭、林アナウンサーは自身の生い立ちを振り返った。学生時代は「文章に携わりたい。本に囲まれたい」という希望から教育学部に進学し、中学と高校の教員免許(国語)と学校司書教諭免許を取得。大学卒業後はアナウンサーとしてデビューし、ことしで25年目を数える。

 教育実習などを通じて教員の世界も垣間見た経験から「教員の世界とアナウンサーの世界は“伝える”ことが共通している」と考えを述べた。

 また、教員とアナウンサーは共に、近年は志望者が減少傾向にあることも指摘。背景として、一線級の活躍ができるようになるまで時間がかかるため「タイムパフォーマンスを重視するZ世代の考え方にそぐわないのでは」と分析した。

 一日のスケジュールや番組制作の裏側を紹介したあと、過去に携わった業務内容について映像を交えて説明した。11年間と半年携わった朝の情報番組「イチモニ!」では“いつもどおり”をキーワードに、毎日決まった時間に老若男女を問わず役立つ情報を発信することを重視。ながら見をする視聴者が多いため「ゆっくりとはっきりした声で聞きやすいように伝えることを心がけた」と話した。

 胆振東部地震発生当時の緊急放送を振り返って、デマが飛び交う中、命を守るために正しい情報を迅速に伝えるマスメディアの役割やアナウンサーとしての使命を感じた経験を共有。「アナウンサーの仕事は360度の評価を受ける。称賛も罵詈雑言も並ぶけれど、つかみどころがないからこそやりがいがある」と締めくくり、伝えることの面白さを強調した。

 その後、質問コーナーで「互いに休めない仕事。健康のためにしていることは?」という声に対して、林アナウンサーは「6時間は睡眠時間を確保する。適度に運動する」と応じた。

 最後に、山﨑武司副会長が「番組が放映される裏側で、伝えるための準備に苦労していることを感じた」と敬意を払った。教頭は管理職として若手教員、生徒、保護者など伝える場面が多い立場であることを踏まえ「相互承認や人権尊重の観点からもあすからの業務に役立つことがあふれていた」と謝辞を述べた。

(札幌市 2024-01-15付)

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