北音教が冬季研修会開く　遊びを学びにつなげて　ＩＣＴで楽しい授業研鑚

（関係団体 2024-01-22付）

北音教冬季研修会

　道音楽教育連盟（北音教、足立教会長）は１０日、札幌市立資生館小学校で冬季音楽教育研修会を開催した。音楽教育推進協議会理事として音楽教育指導に携わる加藤幸平氏を招き「音楽の要素でつながる授業づくり」をテーマに研修。小中一貫した学びを視野に、ＩＣＴ機器の効果的な活用を含めた指導方法について研鑚を積んだ。

　道内各地の小・中学校教員約５０人が参加。足立会長はあいさつで「小中一貫した９年間のつながりを大切に、校種間の交流を深めて」と呼びかけた。

　加藤氏は冒頭、「楽しくなければ音楽じゃない」とする一方で「楽しいだけでも音楽じゃない」と述べた。「面白い」と「楽しい」の違いを問いかけ、学習指導要領に示された目標を取り上げながら「楽しいは、自らの体験を伴う内外発的動機付け」と定義。児童生徒の「やってみたい」「こうしてみたい」を導き出す指導の重要性を訴え、発達段階に応じた系統性・発展性を大切にするよう求めた。

　また「“できない”から“できる”にたどり着くには“分かる”ことが大切」と述べた。その際、ＩＣＴ機器を効果的に活用することで、児童生徒の「分かる」を促す必要性を説いた。

　ＧＩＧＡスクール構想の進展によってＩＣＴ機器を活用した学習が定着した状況を踏まえ、活用場面として①一斉学習②個別学習③協働学習―の３点を確認した。

　体験では、導入の場面を想定し、歌詞をスクリーンに投影。歌詞を読む際には「拍の流れを意識して」と呼びかけたあと「タン・タン・タン・うん」の４拍で手拍子しながら、好きな果物や朝食のメニュー、しりとりなどでリズム遊びを展開した。

　加藤氏は「リズムを速めると高学年でも活用できる取組」と説明した上で「大切なことは、拍の流れを刻みながらリズム遊びができているかであり、速度に合わせて自分を表現できているか」と強調。リズムに合わせた即興的な表現を発展させることで、遊びが学びに変わると説いた。

　このあと、参加者は個別学習や協働学習の場面でのＩＣＴ活用例を体験。「分かる」「できる」の循環にＩＣＴを組み合わせることで、楽しい学びにつながることを理解した。

(関係団体 2024-01-22付)