札幌市教委　いじめ重大事態件数　初公表　１０年間で１２件　５年度以降　文科省と同時公表へ

（札幌市 2024-01-30付）

札幌市内のいじめ重大事態発生件数（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、市内におけるいじめ重大事態の発生件数を初めて公表した。市教委が独自に集計したもので、いじめ防止対策推進法が施行された平成２５年度から令和４年度までの１０年間で計１２件発生。校数は小学校５校、中学校７校だった。５年度以降の件数は、文部科学省の調査結果と同じタイミングで公表する予定。

　３年に市立中学校で発生したいじめ重大事態に関わる再発防止策の一環として、いじめの実態に関する情報を市民と共有し、社会全体でいじめ問題について考えていく契機とすることなどが目的。２６日の第１回教育委員会会議で公表する方針が承認された。

　文科省が毎年実施している児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、いじめ重大事態の発生件数の公表は都道府県別にとどまっている。

　札幌市は同調査の実施要項に基づきこれまで非公表としていたが、ほかの政令指定都市の一部で独自に公表している状況などを踏まえ、初めて実態を明らかにした。

　いじめ防止対策推進法が施行された平成２５年度から令和４年度までの１０年間の発生件数は計１２件。年度別では２年度の４件が最多だった。

　内訳（重複あり）をみると、児童生徒の生命、心身、財産に重大な被害が生じた「第１号重大事態」は６件、不登校に至った「第２号重大事態」は８件に上った。

　２６日の教育委員会会議ではこのほか、３年の重大事態の調査報告書における公表個所の再検討、「いじめの重大事態の公表に関するガイドライン」の作成に着手する方針を示した。

(札幌市 2024-01-30付)