3次生涯学習推進構想4年度報告 市民目線で施策推進 札幌市 学習環境整備など
(札幌市 2024-01-29付)

 札幌市教委は、市の生涯学習に関する施策の指針「第3次札幌市生涯学習推進構想」の4年度実施報告をまとめた。子どもの学びの環境づくり事業や中学校運動部活動の外部人材活用事業など関連する221事業について、実施結果と今後の取組の方向性を示した。市教委は「地域ニーズを踏まえて市民目線に立った施策に取り組んでいく」とコメントしている。

 計画期間は平成29年度から約10年間。基本施策として①学びを生かして未来を創造する人づくり②学びで育むつながりづくり③学びで支える環境づくり―の3点を示し、就学前から高齢期までの各世代のニーズに応じた学習環境の整備・拡充を掲げている。

 報告書では、中間年を経過した4年度に実施した市民アンケート結果を掲載。

 「生涯学習をしている人」が68・1%となり、7年度目標値を上回った一方で「現在の学習や活動環境に満足している人」の割合は前回調査から微増にとどまり、目標値までは12・8ポイントの開きがある状況。

 主な理由として「時間の不足」に次いで「身近な地域に学習や活動ができる場が少ない」が多く、継続的に学習環境を整備する必要性が高いことが明らかになった。

 4年度の実施内容をみると、施策の方向性のうち「いつでも学べる環境づくり」では、子どもの学びの環境づくり事業を実施。不登校児童生徒の社会的自立を目的として、フリースクールなどの民間施設10団体に教材・体験活動費2000万円を助成した。不登校児童生徒は依然増加傾向にあるため、今後は対象団体や助成額を拡大し、引き続き取り組んでいく考え。

 「多様な学習機会の提供」では、中学校運動部活動の外部人材活用事業として部活動指導員65人を配置し、特別外部指導員を26人に依頼。また、休日の部活動の段階的な地域移行を進めるモデル事業を市立中学校の5部活で実施した。今後は、各校への配置人数を増員して学校側の高いニーズに応えるとともに、生涯学習の入り口となるスポーツ・芸術分野の学びを拡充していく方針。

 市教委は、重点施策に掲げている「身近な地域で学びを深められる環境づくり」の重要性を指摘しながら「地域ニーズを踏まえて市民目線に立った施策に取り組んでいく」とコメントしている。

(札幌市 2024-01-29付)

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