札小英研 5年度冬季研修会 日頃の疑問解消へ研鑚 授業改善へ3教諭が実践発表
(札幌市 2024-01-30付)

札小英研冬季研修会
札小英研冬季研修会

 札幌市小学校英語教育実践研究会(札小英研、関敏明会長)は1月上旬、札幌市立新琴似南小学校で5年度冬季研修会を開催した。宮の森小学校の平山伸正教諭、八軒西小学校の西森美紀教諭、あいの里東中学校の楠本正義教諭が発表。小学校英語教育に係る日頃の疑問をぶつけ、授業力向上に向け研鑚を積んだ。

 宮の森小の平山教諭は「思わず授業がしたくなる評価実践ワークショップ」と題して発表。児童たちが一文全体で受け答えできるように指導する重要性を説いた。また、効果的な学習評価によって教師の指導改善、児童生徒の学習改善が見込めることを前提とし、指導と評価の一体化を強調した。

 学習評価では、b評価を出発点とし、できたことを評価に加える加点法にのっとることを推奨。「知識・技能」(話すこと)の見取り方のポイントとして、発音の正確性と流ちょうさを見ることを紹介した。

 aとbの違いは、四つのターゲット・ランゲージを正確に詰まることなく発話できるかとした。cだと思われた場合は「音声学習を中心とする小学校英語の特性を意識して、個別相談に応じる必要がある」と補足した。

 具体的な指導の手だてとして、訂正フィードバックを例に挙げた。「What do you want to study?」と児童に発問した状況を想定し、児童が「Science」などと1単語のみ返答した場合は「You want to study science?」と文構造への意識を促すよう指導。「I want (to) science」と不完全な返答の場合は、言語習得上のU字型発達曲線に目を向け「一度学んだことがうまく使えなくなる時期かもしれない」と再度、定型文の定着を図ることを呼びかけた。

 平山教諭は「小学校段階で一文まるごと発話できれば中学校で文法知識を得た時、英語理解が深いものになる。そのために、教師中心の音声指導が重要で、われわれは常に授業改善が不可欠」と締めくくった。

 つぎに、八軒西小の西森教諭による「読むこと・書くことの実践紹介」。文字と発音を結び付ける学習方法「フォニックス」を実践し、正しく読めるよう指導している。小学1年生に平仮名を教えるかのように基本と児童の思いを大切にすることを訴えた。

 続いて、あいの里東中の楠本教諭による実践ワークショップ。音声を中心とした小学校英語指導を受けた児童たちが中学生になったあと、どのような指導を受けるのかを模擬授業形式で体験した。

 指導上のポイントは「Let them speak and interact.They’re the main learners」。生徒たちに活動内容を認識させ、主体的に取り組めるよう整備することの重要性などを説いた。

 中学校の英語授業では、教科書の出口活動として「思いや考えを伝えたり質疑応答したり、即興性・自己関連性のある活動を進めたい。英語が“読める”ためには音読が下支えとなる」と小学校英語教育の意義を強調した。

(札幌市 2024-01-30付)

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