北数教小学校部会札幌支部が学習会　教師自ら数学の探究を　会長で道教大・佐々氏講演

（札幌市 2024-01-31付）

北数教冬の学習会

　道算数数学教育会（北数教）小学校部会札幌支部（太田智子支部長）は１２日、札幌サンプラザで冬の学習会を開催した。北数教会長を務める道教育大学の佐々祐之副学長が講演し「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向けて、数学の事象を入り口とした探究的な授業の重要性などを説いた。

　テーマは「算数の世界を広げる“数学”とのつながり」。会員を中心に市内小学校の教員約８０人が参加した。

　佐々副学長は「個別最適な学びと協働的な学びの一体化～教師のための“探究的な学び”」と題して講演した。

　「令和の日本型学校教育」として示された個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実について、第一印象として「“個別”と“協働”は相反する概念では」との思いを抱いたという。

　ジグソー法などを取り入れた授業展開などを構想しつつ「学習形態の工夫だけでは限界がある。結局、算数の授業自体をいかに探究的に展開できるかにかかっている」と強調した。

　算数・数学の学習過程の導入として①日常生活や社会の事象②数学の事象―の二つのパターンが考えられると紹介。探究的な授業の実現に向けては②を入り口に問題を見いだし、解決を図る学習サイクルを提案した。

　「①の方が子どもたちにとって分かりやすいかもしれないが、数学的概念を学習するためにつくられた“現実場面”には限界がある。数学的内容自体を探究できる学習環境が求められるのでは」と述べた。

　その上で「探究的な算数の授業をデザインするために、まずは教師自らが探究的な数学に取り組んでみることが大事」と強調。「１７段目の秘密」「たけのこ算」など、解いていくと規則性や法則性が現れる問題を紹介した。

　参加者は、活動を通して「何で？」を引き出す授業づくりに向けたヒントを得た。

(札幌市 2024-01-31付)