札幌清田高 さっぽろ探究発表会 1年間の学習成果披露 地域交流・振興へ2年生
(札幌市 2024-02-15付)

札幌清田高グループ発表
ブース発表

 市立札幌清田高校(横関直幸校長)は7日、同校体育館で2年生による総合的な探究の時間「さっぽろ探究全体発表会」を開催。約70の班から絞り込まれた16の班が地元清田区の振興や地域交流などをテーマにブース発表し、生徒による投票で選出された上位3班がステージへ。フィールドワークでの取材や調査、日々の授業を通してまとめた1年間の成果を披露した。

 「なおもっと」プランと称して総合的な探究の時間「さっぽろ探究」を1年次から取り組んでいる同校。担当の清水裕士教諭は「自分で自ら課題を発見して、多様な価値観を認め合いながら未知なるものに挑戦し、自ら道を切り拓いていく力を付ける」とその目標について説明。さらに1年次では「探究の基礎を身に付ける」、2年次では「社会の一員として、地域の高校生として何か貢献できないか考えよう」、3年次では「1、2年次で学んだことを基礎にし、自分の未来を考えながら行動できる人間になろう」と学年ごとの目標を設定し探究プログラムを考えているとした。

 2年生によるさっぽろ探究全体発表会は、ことしで2回目。生徒たちは昨年4月から「清田地区のまちづくりに何か貢献できないか考えよう」と取組を始め、清田区地域振興課まちづくり推進係の職員や地域の人たちから話を聞いたり、夏から秋にかけてはフィールドワークとして各班のテーマに合わせ、校外での調査や取材に取り組んだりした。

 この日は、事前の発表会で約70の班から絞られた16班が、体育館の八つのブースで発表。清田区の振興や地域の交流、子育て、教育、自然との関わりなどをテーマに、1班3、4人が分担しながら制限時間の5分以内で、現状、課題、解決に向けた提案などをスライドを使い説明。発表者以外は各ブースを見学し、発表終了後にスマホやタブレットで投票した。

 上位3班によるステージ発表は1年生全員も参加して行われた。 

 3位は「観光大国清田への道」と題して発表した班。フィールドワークで北海道観光振興機構を取材したと言い、道内における外国人観光客の推移や北海道観光の課題等を示した上で、観光を通して人が集まるまちづくりとして、自然豊かな清田区内の白旗山を活用したアドベンチャートラベルを提案した。

 「地域交流の活性化」と題し、廃校舎を利用した地域交流について発表した班が2位に。中では全国における廃校数や北海道の廃校率が圧倒的に高い状況を説明し、フィールドワークで札幌市内の廃校舎で、現在は幼稚園や店舗、レンタルスペースなどを備え、地域交流に一役買っている「カミニシヴィレッジ」を訪問したことを報告。

 「幼稚園が併設されていることで、子どもたちは小さい時から地域の人たちと交流することで社会性が養われていると感じた」と伝えた。また「いま私たちが出来ること」として地域の人たちとあいさつを交わすことを挙げ、「交流のきっかけになり、災害時などの困った時に助け合える」と強調した。

 1位は「清田区に新たなイベントを」と題して発表した班。フィールドワークで訪れた札幌観光協会の職員へのインタビューからイベントの重要性を指摘され、「清田区を発展させるために新しいイベントを企画しよう」と考えたと説明。

 そこで同校出身の漫画家がいること、清田区出身の歌手がいることに着目し、「漫画」と「音楽」を生かしたイベントについて提案。清田区をPRする漫画コンテストの開催やテーマソングとして「清田区民の悲願」という地下鉄延伸を題材にした“夢のまた夢”の制作などを提案した。

 いずれもユーモアを交えたプレゼンテーションで会場を沸かせた。

 最後に横関校長が講評を行い「“探究”は社会のキーワード。探究の時間を学校でやっているということは、皆さん一人ひとりが、やりたいこと、興味のあることを見つけ、いろんな人と対話しながら進めていくということ。その素晴らしさを感じてほしい」と話した。

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札幌清田高全体発表
ステージ発表

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