苫小牧市　ヤングケアラー支援へ　道内初の条例制定提案　啓発や交流の場づくり等

（市町村 2024-02-19付）

　【苫小牧発】苫小牧市は、２２日開会の定例市議会に「苫小牧市ヤングケアラー支援条例」の制定を提案する。４月１日からの施行を目指す。市では「ヤングケアラーに特化した条例は道内初。国内でも３例目で、前例のない中ではあったが、支援の手が届きにくいヤングケアラーを支援する体制を整えたい」としている。

　同市では「市内でもヤングケアラーは一定数確実に存在する」と捉え、昨年から教育関係者や有識者らでつくる検討部会の開催や高校生からの意見聴取、素案の作成、パブリックコメントの募集など、１年間かけ条例制定の準備を進めてきた。

　条例では、ヤングケアラー支援について基本理念を定め、市の責務や保護者、市民、関係機関、学校の役割を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定め、ヤングケアラーの支援を総合的に推進する。

　新年度からは、著名人や有識者の講演、シンポジウム、高校生を対象としたワークショップ、ＰＲ用のリーフレット、カード等の配布などでヤングケアラーや支援条例について啓発を図る。

　また、新たにヤングケアラー交流の場づくりモデル事業をスタート。ヤングケアラー同士が自由に過ごせる時間・場所で交流し、悩みを相談できる場を提供する団体等の活動助成等を行うことで、ヤングケアラーの孤立解消や精神的負担軽減につながる活動などを促進する。

　市では「まずはヤングケアラーが存在するということを広く関係者や市民に知ってもらい、市民みんながヤングケアラーを支援できるような体制を少しずつ整えていきたい」と話している。

(市町村 2024-02-19付)