リーディングDX校の帯広柏葉高 効果的な端末活用へ研鑚 ICTサミットで授業公開等(学校 2024-02-20付)
十勝ICTサミットの授業公開の様子
【帯広発】第2回十勝ICTサミット兼ICT管内コンソーシアム協議会が8日、帯広柏葉高校(須藤克志校長)を主会場に開かれた。オンラインを含め、小・中・高校、特別支援学校等の教職員ら75人が参加。授業公開や実践発表等を通して、効果的な1人1台端末の活用に向けて研鑚を積んだ。
文部科学省事業「リーディングDXスクール事業」の指定を受けている帯広柏葉高は、十勝教育局と連携して「十勝ICT授業推進プロジェクト」を進めている。取組の一つとして管内全高校の教員で構成する「十勝ICT推進委員会」を立ち上げ、管内全体のICT活用の充実に向けて連携を図っている。
十勝ICTサミットは4年度、高校教職員を対象に初開催。「管内全校種によるICT活用の促進が重要」との視点から、今回は委員会内で企画内容を検討し、小・中学校、高校、特別支援学校等の全校種を交えて開催した。
須藤校長(十勝ICT推進委顧問)は開会に当たり、ICTを活用した授業および校務の改善が求められていることに触れ「様々な視点で各校が進める工夫を共有することで、十勝全体、全校種のさらなる推進につながる」と、研修の充実を期待した。
続いて、リーディングDXスクール事業、道教委施策を推進するための教育局研修事業によって実施した道外視察の成果を報告した。管内高校教員が昨年11月から、広島県、宮城県、東京都の7校を訪問。教職員全員がICT活用を意識し、教育委員会が校務支援システムの導入・推進等によって学校を手厚く支援している様子や、探究活動において生徒たちが効果的にICTを活用している場面を紹介した。
授業公開では、道外視察に参加した教員6人が英語科や地歴・公民科などの5科目を展開した。
うち1年生国語科は戸川貴之教諭が担当。文章から理解したことをグループで話し合い、Canvaの共同編集機能を活用しながら思考を整理する授業を展開することで、生徒たちが自走する学習環境づくりに力を注いでいる。
本時の題材は、評論文「ありのままの世界は見えない」。3時間扱いの1時間目となる本時、個人の文章理解度をアンケート機能を用いて可視化した上で、グループワークに移行した。
生徒たちは、戸川教諭が事前に用意した文章を読み取る視点をもとに話し合いを進めた。一つの班では「核となるキーワードを抜き出してみよう」と、各自で教科書を読み返しながらCanvaに入力。共有した言葉の意味合いを考えながら具体と抽象に分け、抽象的な表現から派生した考えをさらにまとめるなど、自ら学びを深めた。
このほか、生成AIを活用して議題をまとめたり、著者の略歴から著者が持つ主張を考察したりする班もあった。
2時間目以降はグーグルサイトの作成とともに、プレゼンテーションの準備を推進。一人ひとりが発表できるよう備え、生徒たちは10班のうち希望する2班の発表を見て回る形式だ。
授業公開後、帯広市立大空学園義務教育学校の上野嗣弥教諭、清水高校の餌取和臣教諭、中札内高等養護学校幕別分校の小林和幸教諭が自校の実践を発表。研究協議では「授業に望ましいICT活用について」をテーマに、異校種の教員間で交流した。
(学校 2024-02-20付)
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