高校工ク大会・創意工夫大賞に　大型電光掲示板を製作　帯工高 創立６０周年迎え

（学校 2024-02-21付）

帯広工業高校・大型電光掲示板製作

　【帯広発】帯広工業高校（中島泰彰校長）が創立６０周年を迎え、電子機械科３年生６人は“工業高校らしい情報発信”を図ろうと、大型電光掲示板の製作に臨んだ。ＬＥＤバーが横に５０本並び、プログラミングに応じて点灯することで、文字が流れて見える仕様。基板や配線の接続に試行錯誤を重ね、生徒は「ものづくりはチームの協力や人の気持ちが大きく関わる」と実感。生徒たちの努力は、第４２回道高校工業クラブ大会・課題研究発表大会の創意工夫大賞受賞によってたたえられた。

　昨年、１０月１５日開催の同校創立６０周年記念式典に向けて、電子機械科３年生６人は「学校も生徒も成長した様子を、地域や卒業生に伝える」ことを意識して企画を練り始めた。印刷物を貼付する校内掲示板に着目し「自分たちが学んだ電子機械の技術で表現したい」と考案。文字が左から右へと流れる大型電光掲示板の製作に取りかかった。

　作業は「課題研究」の授業時間や放課後、休日にも行った。高さ１・５㍍のＬＥＤバーが１０本並ぶユニットを５枚用意し、無数の基板や配線をつなげた電光掲示板は全長９㍍に及ぶ。学校正面の２階の窓から流れる文字が、地域や保護者の目に留まる様子を想像しながら作業を進めた。

　ＬＥＤ点灯のレジスタ基板５０枚、電圧低下防止のバッファ基板１０枚、配線５００本の全てを生徒たちが手作業でつなげた。発信内容の充実を見据え、電子機器の制御を担うマイコンはワイファイ環境に対応したものを使用するなど、工業高校としての挑戦もうかがえる。生徒たちは「どこか一つでも間違うと文字が正しく表示されない」と、緊張感を持って試行を繰り返した。

　記念式典前日、完成したユニットは２枚。５枚全ての連結には至らなかったが、同校正面から「祝・帯広工業高校６０周年おめでとう」とメッセージが流れた。

　式典終了後、進路活動などで生徒たちが集まる機会は減った。電光掲示板の完成に向けて再び生徒の心をつないだのは、第４２回道高校工業クラブ大会・課題研究発表大会。ユニット２枚の連結にとどまってしまった原因の追究に励み、配線や接続の改善を重ね、ことし１月１０日に５枚全てを連結した電光掲示板が完成した。

　１月１８日から２日間開催された大会では、完成品に文字が流れる様子を動画で披露。新技術への挑戦心や諦めない姿勢、他者の喜ぶ姿を思い描いた生徒たちのものづくりは高く評価され、創意工夫大賞に輝いた。

　リーダーを務めた竹川仁逞さんは「ものづくりは知識や作業のイメージが強いが、チームの協力や人の気持ちが大きく関わると実感した」と振り返る。

　電光掲示板のさらなる改善に向けて作業を引き継ぐ後輩に向けては「多くの失敗の先に大きな達成感があるものづくりの楽しさを知ってほしい」と期待を寄せた。

(学校 2024-02-21付)