幕別中 探究活動で地域課題掘り下げ 新たに起業家教育展開 3年生 まちづくりへアイデア(学校 2024-02-14付)
幕別中探究学習発表
【帯広発】幕別町立幕別中学校(橋本靖宏校長)は、3年間を通して地域課題を掘り下げる探究活動を推進している。5年度、3年生の新たな試みとして、地域探究と起業家教育をかけ合わせた学習を実施。2月上旬、住みよいまちづくりを見据えた町内のイノベーションに向けて、生徒たちは食や娯楽等の観点から起業計画を発表した。
同校は総合的な学習の時間において「見つける」「深める」「広める」の順に各学年の学習テーマを設け、地域の魅力や課題に関心を深める探究活動を推進。1年生は町の魅力を発見し、2年生はSDGs学習と並行して、他地域との比較から十勝や町を知る。3年生は修学旅行先の企業訪問等を通して道外へと視野を広げ、地域発信に取り組む。
5年度、3年生では新たな取組として「いつまでも住み続けられる町・幕別で、イノベーションをおこそう!」を目標に、起業を目指した探究活動を進めた。町職員や大学職員、地元企業等による講義を通して、地域課題への理解を深め、イノベーションの視点を育成。中でも、道家庭教育サポート企業の(株)そら、(株)北海道パートナーズとかちが協力した講義は複数回行われ、起業秘話やビジネスチャンスの見つけ方などを生徒たちに伝えた。
この日、協力者や下級生、校区内の小学6年生が見守る中、持続可能な町づくりを目指した起業計画を提案。食品・飲食、観光、美容などの6チームに分かれて発表した。
娯楽に関連するチーム「チバカンパニー」は、高齢化が進む町内の現状から「1人暮らしの高齢者が増え、離れて暮らす家族が心配になる」ことを課題に挙げた。30~50代の教職員を対象としたアンケート調査を行った結果、健康面や会話相手の不在などが老後の心配事に当たることを提示。「気軽に話すことができる相手」に着目し「AI搭載チバ人形」の製作・販売を企画した。
AI搭載チバ人形に求める機能を調査し、会話や健康管理に加え、家族との情報共有や血圧・脈拍測定などを求める声があったことを示した。動物をモチーフにしたデザインで安心感のある触り心地の人形に、会話や服薬管理等の機能を搭載するよう企画。特に、スマートフォン等と連携して位置情報や緊急連絡を家族等と共有できたり、スマートウオッチから心拍を計測したりする機能などの搭載は、競合他社との比較からも新たな機能充実につながることを説いた。
SDGsに関連し「3 全ての人に健康と福祉を」「11 住み続けられるまちづくりを」の目標と共通することを解説。「子ども連れや認知症予防の手助けとなり、町内で安心して生活を送ることにつながれば」と伝えた。
全チームの発表後、そら副社長の林佑太さん、北海道パートナーズとかちの丹羽祐介さんが講評。林さんは「資料作成など、仕事の疑似体験につながったと思う。どのチームも、汗を流してきょうを迎えたように感じた」とし、発表内容から考えられる起業後の未来や実現性、発展に向けてアドバイスした。丹羽さんは「動画編集や資料作成なども、現代では職業の一つ。人前で発表する機会は今後ますます増えると思うので、今回の経験を生かしてほしい」と呼びかけた。
橋本校長は「地域の協力によって、生徒たちは専門性の高い学びを得ることができた」と感謝し「生徒たちに今後もまちづくりへの関心を深めてほしい」と期待を寄せた。
(学校 2024-02-14付)
その他の記事( 学校)
富良野小で建設企業出前授業 道路の大切さ分かった 舗装工事機械のAR体験も
【旭川発】富良野市立富良野小学校(田畑幹夫校長)は16日、3年生を対象に建設会社による出前授業を実施した。道路建設(株)(札幌)の担当者が「道路と無電柱化」について説明。建設機械のAR体験...(2024-02-26) 全て読む
高校工ク大会・創意工夫大賞に 大型電光掲示板を製作 帯工高 創立60周年迎え
【帯広発】帯広工業高校(中島泰彰校長)が創立60周年を迎え、電子機械科3年生6人は“工業高校らしい情報発信”を図ろうと、大型電光掲示板の製作に臨んだ。LEDバーが横に50本並び、プログラミ...(2024-02-21) 全て読む
リーディングDX校の帯広柏葉高 効果的な端末活用へ研鑚 ICTサミットで授業公開等
【帯広発】第2回十勝ICTサミット兼ICT管内コンソーシアム協議会が8日、帯広柏葉高校(須藤克志校長)を主会場に開かれた。オンラインを含め、小・中・高校、特別支援学校等の教職員ら75人が参...(2024-02-20) 全て読む
ロボットプログラミング選手権 手稲養護三角山分校が準V 伊藤星矢さんら3人「来年は優勝を」
今月1日にオンラインで開かれたロボットプログラミング選手権2023病弱教育部門で、手稲養護学校(鎌田典子校長)三角山分校の伊藤星矢さん(高校2年)、和田輝政さん、伊藤悠斗さん(共に高校1年...(2024-02-15) 全て読む
先人の思い受け継ぎ未来へ 森町尾白内小で閉校式 143年の長き歴史に幕
【函館発】森町立尾白内小学校(中西章二校長)の閉校式が10日、同校で執り行われた。児童や保護者ら約80人が出席し、143年の歴史に幕を下ろす同校との別れを惜しんだ。式典で中西校長は歴史ある...(2024-02-15) 全て読む
室工高 西胆振三市建設協会と 企業実習連携へ協定 就労支援も8年度実現へ
【室蘭発】室蘭工業高校(川村広幸校長)は8日、室蘭市建設業協会(橋詰昌明会長)、登別建設協会(草塩忠幸会長)、伊達市建設協会(笹山智市会長)の西胆振三市建設協会と企業実習連携に係る協定を結...(2024-02-13) 全て読む
第1回全国商業高アプリコンテスト 日常を便利にするPGを 苫小牧総合経済高の2人が受賞
【苫小牧発】苫小牧総合経済高校(池田隆校長)の生徒2人が第1回全国商業高校Webアプリコンテストで企業賞の部の「セガ賞」と入選に輝いた。全国35校180点の中から選ばれ栄誉を勝ち取った。道...(2024-02-01) 全て読む
開発局と空知建協 学校キャラバン 業界の魅力などPR 滝川工高1年生を対象に
【岩見沢発】滝川工業高校(馬道淳一校長)電子機械科と電気科1年生28人は19日、同校で開かれた開発局と空知建設業協会主催の学校キャラバンに参加した。建設企業や札幌開発建設部などの若手職員5...(2024-01-31) 全て読む
岩見沢北村小で建設企業出前授業 土木は人の役に立つ 環境問題とのつながり学ぶ
【岩見沢発】岩見沢市立北村小学校(角銅隆校長)で23日、建設企業㈱砂子組による環境問題と土木に関する出前授業が行われた。4年生10人が参加。児童は土木の仕事や環境問題について理解を深めた。...(2024-01-31) 全て読む
静内農高 商品開発促進PJ 地元と連携し特産品開発 日本最大の商談会に出店も
【苫小牧発】静内農業高校(赤穂悦生校長)は、新ひだか町をはじめとする地元産業団体等と連携して特産品開発を行う「静農商品開発促進プロジェクト」に取り組んでいる。2年目となった5年度は計9商品...(2024-01-30) 全て読む