札幌市教委　いじめ防止基本方針改定案　チーム学校として対応　対策会議の月１回開催など

（札幌市 2024-02-28付）

市立学校におけるいじめへの対処

　札幌市教委は、市いじめの防止等のための基本的な方針の改定案をまとめた。学校いじめ対策組織の定例会議の月１回開催や、一部の教職員による抱え込みを防ぐ取組を位置付けるなど、「チーム学校」としていじめに対応する体制を整備する。このほか、関係部局・関係機関との連携を推進するなど札幌市全体としていじめ防止等に取り組んでいくことを示した。

　２６日の第４回教育委員会会議で示したもの。

　３年に市立中学校で発生したいじめ重大事態を受け、札幌市全体でいじめ防止に取り組んでいくため、ビジョンとして「学校・家庭・地域総ぐるみで、いじめは“しない・させない・許さない”を徹底」を掲げた。

　ビジョンのもと、いじめ防止等に向けた市と学校の取組、いじめの疑いや重大事態の対応手順などを示した。

　市が実施する取組として、１人１台端末を活用した心の健康観察やアンケートを実施し、児童生徒の不安や悩みを早期に把握し対応につなげる仕組みを導入することなどを掲げた。

　各学校が提出するいじめ認知・解消件数の報告については、国の調査項目に沿った様式に変更し、経年変化を把握できるようにする。

　また、学校いじめ対策組織の開催予定日、いじめアンケート調査や校内研修等の実施時期などを把握し、指導助言・支援につなげるなど市教委と学校の連携を深化させる。

　このほか、市教委や子ども未来局、保健福祉局などの関係部局が協働し、課題を抱えた児童生徒を支援するなど、市全体としていじめ防止等を推進する。

　学校の取組として、学校いじめ対策組織については、あらためて校長の責任を明確化。定例会議を月１回開催すること、構成員に養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを加えることを必須とした。

　３年の重大事態に係る調査報告書で示された提言を踏まえ、一部の教職員による抱え込みを防ぐための取組を新たに位置付けた。いじめの認知・解消の判断を学級担任などの個人に委ねず、学校いじめ対策組織での対応を徹底することなどを示した。

　いじめの疑いがある情報を把握した場合の対応については、客観的な判断と組織的な対応ができるようアセスメントシートを活用すること、保護者や関係機関との連携などを位置付けた。

　３月上旬にパブリックコメント、キッズコメントを募集し、４月上旬に策定する見通し。新たな方針のもと各学校が確実に取組を進められるよう、各校に対しては３月中に要点を通知するとしている。

(札幌市 2024-02-28付)