【解説】遠隔授業の環境構築
(解説 2024-03-04付)

 文部科学省は6年度から3ヵ年計画で取り組む「各学校・課程・学科の垣根を超える高校改革推進事業」の公募を開始した。地理的状況や学校・課程・学科の枠を超えた遠隔授業の配信ネットワークを全国13地域で構築する。4月上旬にモデル地域を決定する。

 少子化の影響で全国の多くの地域で高校の統廃合が進行。国は公立高校の適正配置を進める上で、一定の小規模校を地域に残す必要がある場合に教育条件を改善することが必要と考え、遠隔授業における職員配置や対面授業の単位数に関する要件の弾力化などに取り組んでいる。

 6年度から始まる同事業は、潜在的な学習ニーズに応える柔軟で質の高い学びを実現するため、教科・科目充実型の遠隔授業と通信教育の活用、学校間の連携・併修ネットワークを新たに構築するもの。小規模校にとどまることなく、全日制高校や専門高校など多様な学校との連携も視野に入れた高校モデルを創出する。

 さらに、都道府県の枠を越えて小規模校の生徒が地域・学校を越えてつながるプラットフォームの構築に着手。総合的な探究の時間などの合同授業を実施し、学び合いの深化や外部人材のリソースなどの共有を図る。

 国は6年度から遠隔授業の各種要件を緩和する方針で、全日制・定時制高校では不登校生徒に対する遠隔授業・遠隔教育による修得単位数を36単位まで認めるほか、疾病による療養、障がいのため長期間学校を欠席する生徒に対する通信教育を単位数の制限なく実施可能とする。

 中学校においては遠隔教育特例校制度の文科大臣の申請を不要に。一部の小規模校で免許状を所有する教師を確保できない場合、遠隔で専門性の高い教師による指導を可能とする特例校を全国で拡大する。

(解説 2024-03-04付)

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