【解説】GIGA2期の環境整備
(解説 2024-02-26付)

 GIGAスクール構想は3年目を迎え、第2期を見据えた各種事業の準備が進む。6年度からは1人1台端末を更新する共同調達が始まるほか、全国的な学校のネットワーク診断を促進し、7年度から全学校で通信の不具合が生じない環境を整備する。

 クラウドの効果的な活用では、個人情報など過密なセキュリティルールなどの課題もある。このため各自治体に教育情報セキュリティポリシーの策定を促し、8年度は全ての学校でクラウド環境を活用した校務のDXの徹底を図る。

 端末の持ち帰りが進む地域では充電保管庫に端末を入れるケースが減少しており、保管庫の役割も変化。このため次期ICT環境整備方針では「充電装置」に文言を変更する予定。会議では充電保管庫に入れると学習が止まってしまうことを懸念し、モバイルバッテリーを新たな整備対象に位置付けるよう提案。このほか、児童生徒の端末の利用状況を教員の指導に還元できるよう学級全体の情報を一覧化するダッシュボードに関する規定を盛り込むよう求める声があった。

 ICT支援員の配置形態は常駐、巡回、遠隔サポートなど様々で、授業・校務における活用提案やトラブル対応など様々な面で貢献。文部科学省の調査によるとニーズの高い支援は「ICT機器の準備・操作支援」が最も多く、「日常的なメンテナンス、ソフトウエア更新などの環境整備」「ネットワークのトラブル対応等」と続く。

 優秀なICT支援員が活躍する一方、その業務内容は複雑・多様化しており、給与に見合う人材の確保に苦慮し、現場のニーズとミスマッチが生じるケースも多々ある。日進月歩で進化するICTの知識・情報を更新する研修機会の拡充も不可欠で、支援体制の一層の充実が求められている。

(解説 2024-02-26付)

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