【解説】子ども意見反映へ新指針
(解説 2024-02-22付)

 こども基本法の理念に基づき、全国で子ども、子育て当事者の意見を聴取する自治体が広がっている。こども家庭庁の調査によると、地方自治体が子ども・若者の意見を直接聞くテーマについて、全体の約2割を参加した子どもや若者が決定していることが分かった。こうした中、こども家庭庁は「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン案」を作成。子ども等の意見を反映させていくポイントや実践していく際の留意点、実践例などを示している。

 ガイドライン案では、子ども・若者に分かりやすく、意見を言いやすいテーマを設定する必要性を明記。各自治体のテーマは、将来のビジョンやまちづくり、子どもの権利に関連することのほか、参加する子ども・若者自身がテーマを設定しているケースが多いことが分かった。

 また、子ども・若者が参加する場について、事前準備の段階から想定し得るリスクを洗い出し、予防策や軽減策を検討する重要性や、子ども等が意見を言いやすい方法を選べるよう様々な選択肢を用意する必要性などを解説。子ども等が意見を言いやすい安全・安心な環境づくりを通して、心理的安全性や、多様な声を聴く機会を確保する大切さなども記している。

 同庁では現在、行政職員をはじめ、広く意見を募集するため、ガイドラインに関わるパブリック・コメントを実施。ガイドラインは、3月末をめどに取りまとめ公表する。6年度は、事例の調査範囲や内容を拡充し、ガイドラインを改訂する予定だ。

 このほか、子どもや若者の声を引き出すために必要となるファシリテーターを育成するためのモデルプログラム作成を推進。作成したプログラムは、国による活用のほか、地域公共団体にも周知する考え。

(解説 2024-02-22付)

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