【解説】学びの多様化学校の実態調査(解説 2024-03-06付)
文部科学省は学びの多様化学校(不登校特例校)実態把握調査結果をまとめた。柔軟な教育課程や多面的な支援が児童生徒の安心感、自己肯定感、登校意欲へとつながっており、卒業者の高校進学率は94・3%、進学先の高校在籍率は85%以上となっていることが分かった。
学びの多様化学校は、不登校児童生徒の実態に配慮し、教育課程の基準によらず特別の教育課程を編成できる特例校。通常の「学校型」、一般の小・中学校を母体とし一部の学級のみを指定する「分教室型」、高校の一部のコースを指定する「コース指定型」など設置形態も多様化し、国は各都道府県・政令指定都市に1校以上設置し、将来的に300校の設置を目指している。
調査は5年7~9月、全国にある24校を対象に実施した。
1年間の平均授業料をみると、小学校が41万2000円、中学校が56万8400円、高校が52万400円。授業料以外の納付金は小学校が24万3000円、中学校が38万8480円、高校が19万7267円だった。
1単位時間当たりの授業時間の平均は小学校が44・0分、中学校が48・1分。全体の3割が通常と異なる定期テストを実施し、4割が授業中の様子や家庭学習の成果物などをもとに評価している。
小学校では卒業者の3割が通常の中学校等に、残る7割が特例校の中学校に進学している。中学校では94・3%が高校に進学し、高校卒業後の大学進学率は26・9%、短大・専修学校等を含めると77・2%だった。
転入学希望生徒が増加して定員を超過する学校もあり、受け入れ環境の整備が課題として浮上。学力や人間関係ではなく怠惰な児童生徒への支援方法の充実なども課題となっている。
(解説 2024-03-06付)
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