探究チャレンジ・ジャパン受賞校 札幌あいの里高等支援学校
(道・道教委 2024-03-06付)

探求チャレンジ札幌あいの里高等支援
研究成果を解説する生徒

 札幌あいの里高等支援学校(伊藤友紀校長)は、高校生にふさわしい発想力と着眼点を持ち、ゼロカーボンに資する取組につなげている学校が選ばれる「ゼロカーボン探究賞」を受賞した。

 給食を作る時に出た生ごみや刈った雑草から堆肥を作り、野菜のへたなど食材にはならなかった部分から再生野菜を栽培。本来捨てられ、燃やされるはずだったものを堆肥にしたり、再生野菜として新たに価値のあるものに変えたりするなど、より良い学校・環境づくりに貢献する研究成果を発表した。

 発表概要はつぎのとおり。

【ゼロカーボン探究賞】

◆探究テーマ「学校貢献プロジェクト~堆肥作りと再生野菜の栽培・活用」

▼発表要旨

 社会に貢献するために、身近な社会である学校でできることを探し取り組むことにした。

 学校の現状について調べた結果、本来捨てられるごみのうち、給食を作る時に出た生ごみや刈った雑草から堆肥を作り、さらに、野菜のへたなど食材にはならなかった部分から再生野菜を栽培し、レシピを開発したり、美術の教材として活用してもらったりした。

 その結果、学校のごみが減るだけではなく、草を刈ってきれいにしたり美術の作品として飾ったりすることで校内の美化につながるなど、ゼロカーボンの取組を通して、より良い学校に貢献することができた。

▼背景と目的

 私たちは、環境問題やゼロカーボンについて聞いたことはあったが、理解を深めたり具体的に行動したりすることは少なかった。

 そこで、一番身近な社会である学校の現状を知り、ゼロカーボンに向け、私たちの学校生活の中でできることについて考え取り組むことで、より良い生活、より良い学校に貢献することを目指した。

▼方法

▽インタビュー

 事務の方と栄養教諭にインタビューを行った結果、学校で出るごみには先生や生徒が出したごみのほかに、給食を作る時に出る生ごみや刈った草があること、生ごみは1ヵ月で約130㌔㌘にもなること、そのほか私たちの給食の残食量について分かった。

▼堆肥づくり

 給食時に出る生ごみと、雑草が多く活用されていない中庭の雑草を刈って堆肥にする取組を行った。また、作った堆肥は学校の畑で活用した。

▽再生野菜の栽培・活用

 給食の調理時に食材にならなかったへたなどの野菜の一部から再生野菜を栽培し、札幌保健医療大学と連携して再生野菜を活用したレシピを開発した。

 その他にも、育てたカボチャを美術の時間に教材として活用してもらい、ハロウィーンの装飾として校内に飾ってもらった。

▼結果

 本来捨てられ、燃やされるはずだったものを堆肥にしたり、再生野菜として新たに価値のあるものに変えたりすることができた。

 また、雑草が生えていた中庭の草を刈ったり、ハロウィーンの装飾を校内に飾ったりするなど、より良い環境づくりにも貢献することができた。

 はじめは、自分たちには何もできないと思っていたが、調べたり実際に取り組んだりすることで、できることがたくさんあることが分かった。

▼今後の課題

 今回は、学校の生ごみや雑草を堆肥にしたが、学校がある札幌市北区あいの里地区は、自然が多く美しい景観が良さであることから、地域の雑草や落ち葉を集めて堆肥にすることで、地域貢献につなげたい。

 また、再生野菜については、給食や調理学習で活用してもらい、全校生徒に食材の大切さを感じてもらう機会をつくることで残食量の減少を目指したい。

(道・道教委 2024-03-06付)

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