特セン 6年度研修事業 新たに4研修を開設 ハイフレックスなど3形態で
(道・道教委 2024-03-19付)

 道立特別支援教育センターの6年度研修事業の内容がまとまった。6年度から研修の構成を「特センで受講する研修」と「学校や自宅等で受講する研修」の二つに大別し「集合研修」「ハイフレックス研修」「遠隔研修」の三つの研修形態で実施する。受講者の多様な研修ニーズに応えられるよう、受講者自身が集合か遠隔を選択できる「ハイフレックス研修」を7本用意。また、実習助手コースや特別支援学校POWERUPセミナーなど四つの研修を新たに開設する。

 同センターは、本道の特別支援教育に携わる教職員の資質・能力の向上に資するため、前年度の成果や受講者からの声を反映した研修事業を計画。学校力の向上や地域の特別支援教育の取組の充実、特別支援教育に関する今日的な課題解決などに向け毎年度、各種研修を展開している。

 6年度の研修事業では、受講者にとって分かりやすい研修の構成を目指し、従来の「研修講座」と「自主的研修コース」といった研修の目的による枠組みを大きく見直した。

 6年度は「特センで受講する研修」と「学校や自宅等で受講する研修」に大別した上で「集合研修」「ハイフレックス研修」「遠隔研修」の三つの研修形態で実施。受講者の多様な研修ニーズに応えられるよう、受講者自身が集合か遠隔を選択できる「ハイフレックス研修」を7本用意した。

 また、心理アセスメントコースおよび特別支援学校POWERUPセミナーなど四つの研修を新たに開設し、全13研修を実施する。

 集合研修では、同センターの蔵書や資料、検査器具、設備等の活用が可能。旅費は、最大110人まで同センターが措置する。また、上限はあるものの、最大受け入れ人数まで自校からの旅費措置等による受講も受け入れる。

 ハイフレックス研修では、受講者自身の学び方に合わせた受講形態の選択が可能。集合研修を選択した場合は、自費または自校からの旅費措置等でも受講できる。

 遠隔研修では、ウェブ会議サービス(ズーム)を活用し、遠隔地でも移動を伴わずに受講が可能。遠隔研修に必要な端末を準備の上、学校や自宅等で受講できる。

 6年度研修事業の概要はつぎのとおり。

【集合研修】

▼支援体制づくり研修講座

 多様な学びの場についての理解を深め、地域および各学校の支援体制の充実に向けて必要となる知識・技能を身に付ける。

▽対象=特別支援学校教員

小・中・高校等教員

▽定員=60人(特30人、小・中・高30人)

▽期日=9月18~19日

▽受講決定=7月中旬

▼授業づくりレベルアップ研修講座―新規

 障がいのある児童生徒に資質・能力を育む上で必要となる授業改善や教材の作成、学習評価に関する知識を身に付け、授業力の向上を図る。

▽対象=特別支援学校教員

▽定員=50人

▽期日=9月26~27日

▽受講決定=7月中旬

▼自立活動研修講座

 自立活動の意義や指導内容の設定について理解を深めるとともに、障がい種に応じた効果的な指導を行うための知識・技能を身に付ける。

▽対象=特別支援学校教員、特別支援学級担当教員、通級指導教室担当教員

▽定員=60人(特30人、小・中・高など30人)

▽期日

・事前研修=9月17日~10月15日の間―配信

・本研修=10月22~23日

・事後研修=7年1月21日―遠隔

▽受講決定=7月中旬

【ハイフレックス研修】

▼特別支援教育基本セミナー

 特別な教育的支援を必要とする幼児児童生徒一人ひとりに応じた指導や支援に関する知識・技能を身に付ける。

▽対象=幼・小・中学校・高校等の教職員、特別支援学校の教職員、保育所の保育士等、市町村教委職員

▽定員=210人(集合60人、遠隔150人)

▽期日

・事前研修=4月1~19日の間―配信

・本研修=4月20日

▽申し込み=25日~4月16日

▼障がい別エントリーコース

 各障がいにおける障がいの状態に応じた指導や支援に関する基本的な知識・技能等を身に付ける。

▽対象=小・中・高校等の教職員、特別支援学校教職員

▽定員=障がい種ごとに設定

▽期日=4月1~26日

▽申し込み=25日~4月17日

▼特別支援教育コーディネーター基本コース

 初めて特別支援教育コーディネーターを担当する教員が教育相談等で必要となる基本的な知識・技能を身に付ける。

▽対象=経験年数が1~3年程度の特別支援教育コーディネーター

▽定員=130人(集合30人、遠隔100人)

▽期日

・事前研修=4月19日~5月9日の間―配信

・本研修=5月10日

▽申し込み=4月5日~5月1日

▼心理アセスメントコース―新規

 障がいのある幼児児童生徒を理解し指導に生かすため、心理検査の実施と活用に関する基礎的な知識や技能を身に付ける。

▽対象=幼稚園等教員、小・中・高校等教員、特別支援学校教員

▽定員=部会ごとに設定

▽期日

・夏季=8月1~2日

・冬季=7年1月14~15日

▽申し込み=夏季6月7日~7月18日、冬季11月19日~12月24日

▼寄宿舎指導員コース

 幼児児童生徒の理解や自立と社会参加に向けた生活指導の実践的な指導力を身に付ける。

▽対象=特別支援学校の専門寄宿舎指導員、寄宿舎指導員

▽定員=60人(集合30人、遠隔30人)

▽期日

・事前研修=11月27日~12月25日の間―配信

・本研修=12月26日

▽申し込み=10月28日~12月12日

▼実習助手コース―新規

 実習担当の教諭と連携し、作業学習および実習方法等の工夫改善に努めながら、実習助手として資質・能力の向上を図るための知識・技能等を身に付ける。

▽対象=特別支援学校の実習助手

▽定員=40人(集合20人、遠隔20人)

▽期日

・事前研修=12月13日~7年1月9日の間―配信

・本研修=7年1月10日

▽申し込み=11月13日~12月20日

▼特別支援学校POWERUPセミナー―新規

 専門性の向上に主体的に取り組む教職員が、全道的な視点で特別支援学校の今日的な課題を共有し、特別支援教育の推進・充実を図る。

▽対象=道立特別支援学校教職員

▽定員=50人

▽期日

・第1回=5月16日―遠隔

・第2回=7月5日―遠隔

・第3回=8月8日―集合または遠隔

・第4回=11月11日―遠隔

・第5回=7年2月20日―遠隔

▽申し込み=4月22日まで

【遠隔研修】

▼高校コース

 特別な教育的支援が必要な生徒一人ひとりの障がいの特性に応じた指導や支援の充実に向け、基礎的な知識・技能を身に付ける。

▽対象=高校教職員、中等教育学校教職員、中学校教職員

▽定員=50人

▽期日

・事前研修=7月12日~8月6日の間―配信

・本研修=8月7日―遠隔

▽申し込み=6月12日~7月24日

▼幼稚園等コース

 特別な教育的支援を必要とする幼児の理解を深めるための基礎・基本や、早期からの切れ目のない一貫した支援に関する知識・技能等を身に付ける。

▽対象=幼稚園、認定こども園、保育所および発達支援センター等職員

▽定員=120人

▽期日

・事前研修=9月20日~10月10日の間―配信

・本研修=10月11日―遠隔

▽申し込み=8月20日~9月26日

▼通常の学級コース

 通常の学級における特別な教育的支援が必要な児童生徒の指導や支援に必要な知識・技能を身に付ける。

▽対象=小・中学校等の通常の学級を担当する教職員

▽定員=100人

▽期日

・事前研修=12月19日~7年1月8日の間―配信

・本研修=7年1月9日

▽申し込み=11月19日~12月23日

【公開講義】

 全てウェブ会議サービスで配信。特別支援教育の理解啓発を図ることを目的に、各研修の講義等を公開する。

▼アセスメントの意義と心理検査の活用

▽講師=道教育大函館校・青山眞二特任教授

▽定員=80人

▽期日=8月1日

▽申し込み=7月1~25日

▼特別支援教育コーディネーターに求められるファシリテーションの力

▽講師=道教育大釧路校・田中雅子准教授

▽定員=80人

▽期日=9月18日

▽申し込み=8月28日~9月11日

▼資質・能力の育成を目指した授業づくり

▽講師=国立教育政策研究所生涯学習政策研究部・福本徹総括研究官

▽定員=80人

▽期日=9月26日

▽申し込み=8月29日~9月19日

▼自立活動の指導の基本と実態把握に基づく個に応じた指導の実際

▽講師=福岡教育大教育学部・一木薫教授

▽定員=80人

▽期日=10月22日

▽申し込み=9月24日~10月15日

(道・道教委 2024-03-19付)

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