1定札幌市議会予算特別委(19日)
(札幌市 2024-03-27付)

◆疑似体験授業などモデル事業を推進 いじめ未然防止

 市教委の廣川雅之児童生徒担当部長は19日の第1回定例市議会予算特別委員会で、いじめの未然防止に向け、実際の事例を教材とした授業、いじめの場面を疑似体験する授業などに関するモデル事業を推進する方針を示した。

 いじめの未然防止教育を進めるに当たっては「いじめは絶対に許されず、人権侵害行為であることを頭で理解するだけではなく、いじめはしない、させない、許さないという感覚を実際に行動できるようになるまで高めることが重要」との認識を示した。

 モデル事業を通して「効果的な指導事例を全市に展開するなどし、いじめの未然防止教育の充実を一層進めていく」と述べた。

 福田浩太郎委員(公明党)の質問に対する答弁。

◆家庭、地域と連携 運動習慣の形成へ 児童生徒の体力向上

 市教委の長谷川正人学校教育部長は、児童生徒の体力向上に向け、自治的な活動と関連付けて「学校、家庭地域が一体となって、子どもたちの主体的な運動習慣の形成につながる取組を支援する」との考えを示した。

 5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について、体育の授業以外で運動していない児童生徒の割合が、小学校は例年と同程度だった一方、中学校は4年度より増加傾向が表れたという。

 特に中学校では運動時間も少ないという分析結果を報告し「体育の授業以外で運動していない子どもはもとより、運動時間が少ない子どもの運動機会をどのように増やしていくかが課題」との認識を示した。

 今後「子どもたち自らが、いつ、どこで、何をするのかを考えて運動機会を創出するなど、先進的な取組を推進するモデル校を指定し、取組の成果を学校と共有していく」とした。

 藤田稔人委員(自由民主党)の質問に対する答弁。

◆相談パートナー全小学校に配置 不登校児童生徒支援

 廣川部長は、不登校児童生徒支援に向け、小学校における相談支援パートナーの配置を全校に拡充する方針を示した。

 これによって、全小・中学校に相談支援パートナーが配置されることから「教室に入ることが難しい子どもに対してオンラインを活用した支援や校内での居場所づくりを進めるなど、学校における支援の充実に努めていく」と述べた。

 また、6年度から順次導入予定の札幌らしいコミュニティ・スクールを活用し、不登校傾向にある子どもの学校での居場所づくりについて協議するなど「家庭や地域との連携を一層強化し、子ども一人ひとりが“自分が大切にされている”と実感できる学校づくりを進めていく」とした。

 藤田委員の質問に対する答弁。

◆定員を40人に拡大 1学級1回で可能 青少年科学館実験室

 市教委の木村良彦生涯学習部長は、リニューアルを機に青少年科学館の実験室の定員を40人に拡大し、1学級が1度に理科実験を体験できるよう整備したと報告した。

 既に市内の小学校を対象に利用募集を開始しており「多くの申し込みをいただいている」と状況を伝えた。「今後も実験室を効果的に活用し、子どもたちの体験的な学習を充実させていきたい」と述べた。

 ふじわら広昭委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆公募で協力者増員 帰国・外国人児童生徒事業

 長谷川部長は、帰国・外国人児童生徒事業について、対象児童生徒数の増加を踏まえ、公募によって指導協力者を増員するなど体制強化を図る考えを示した。

 事業の対象となる児童生徒数について、開始当初の平成18年度は9校12人だったが、ことし2月末現在は94校156人と増加。「近年は人数の増加に加え、国籍や言語の多様化も進んでいる」と現状を報告した。「今後も帰国外国人の子ども一人ひとりが自分の良さや可能性を伸び伸びと発揮し、“札幌っていいな”と実感できるよう取組の充実を図っていく」と述べた。

 森山由美子委員(公明党)の質問に対する答弁。

◆切れ目なく学び続ける取組推進 研修受講履歴記録システム

 市教委の佐藤圭一教職員担当部長は、文部科学省が整備した研修受講履歴記録システムを活用し「各教員が自身の強みや課題を把握し、計画的に研修を進めるなど、全ての教員が切れ目なく学び続ける取組を推進する」との方針を示した。

 また、いじめ防止対策やインクルーシブ教育など、学校を取り巻く教育課題が複雑化し組織的な対応が求められていることから「教職経験や職能に応じて法律的課題に対応した研修の充実を図っていく」とした。

 教員一人ひとりが着実に実践的指導力を高めるため、子どもとの日々の関わりから学ぶことが重要であることから「学校と一層緊密に連携を図りながら、子どもの学びや成長を支える教員の育成に努めていく」と述べた。

 森山委員の質問に対する答弁。

(札幌市 2024-03-27付)

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