幌延町　６年度教育行政執行方針　施設一体型　小中一貫校設計へ　学力向上へ教科担任制等

（市町村 2024-04-05付）

幌延町教委・青木順一教育長

　 【稚内発】幌延町教委の青木順一教育長は、定例町議会で６年度教育行政執行方針を説明した。小・中学校の教育環境整備については「施設一体型小中一貫校の設立に向けた基本設計の策定」を進めるとの方針を示した。また、児童生徒の学力向上に向けては「目的の一貫性、指導方法の継続性、指導内容の系統性がある小中一貫教育を推進」「教科担任制や小中交流学習、小学校への乗り入れ指導を取り入れた指導」を具体として挙げた。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学ぶ権利の保障

▽学力・体力の向上

　令和の日本型学校教育を目指し、個別最適な学びと協働的な学びを一体化し「主体的・対話的で深い学び」の授業改革を行うとともに、運動やスポーツに親しむ機会や運動の習慣化につながる取組を実施する。

　そのため「主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善による確かな学力を育成」「目的の一貫性、指導方法の継続性、指導内容の系統性がある小中一貫教育を推進」「教科担任制や小中交流学習、小学校への乗り入れ指導を取り入れた指導」「全国調査の結果の分析からみた根拠のある指導を工夫」「自律的な生活習慣を定着」を図る。

▽豊かな心の育成

　子どもたちが善悪の判断を持ち、行動する力を身に付けるためには、安全・安心な環境のもと、自己決定し共感的人間関係を築き、自己存在感を味わうような環境に浸ることが重要。

　そのため「いじめの未然防止に向けた教育相談の実施と心理的安全性の確保」「生徒指導の四つの機能を生かした自己指導能力を育成」「多様性を理解し、他者を尊重する人権教育を推進」「スクールカウンセラーや心の教育相談員を効果的に活用」を進める。

▽特別支援教育の推進

　特別支援教育においては、共生社会の形成に向けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶインクルーシブ教育の充実を図ることが重要。

　そのため「関係機関等と連携した特性の把握と支援」「町子育てファイルや個別の教育支援計画等を活用した支援」「町教育支援委員会や専門家チームによる支援」「専門家と連携したケース会議を実施」を進める。

▽特色ある教育の推進

　子どもたちがこれからの予測困難な社会を生き抜くためには、ふるさと幌延町に誇りを持つことや技術革新に対応する情報活用能力、国際社会の一員として求められているコミュニケーション能力などを育成することが重要。

　そのため「自然環境や産業など生かした体験活動やふるさと学習の充実」「キャリア・パスポートや職業体験等を活用したキャリア教育を充実」「ＩＣＴの特性を生かした授業実践を推進」「ＡＬＴや支援員を活用した外国語学習を充実」「遠隔教育による学びの保障」を進める。

▼教育環境の充実

　子どもたちが快適で安全・安心に学習できる環境を整備するとともに、教職員が子どもたちと触れ合う時間等を確保するため働き改革を推進していくことが重要。

　そのため「施設一体型小中一貫校の設立に向けた基本設計の策定」「学校施設や給食センターの修繕や維持管理」「交通安全や防犯、防災教育の充実による安全確保」「コミュニティ・スクールを活用した学校運営を推進」「地域の人的・物的資源の活用や社会教育と連携した体験活動を充実」「奨学資金制度の活用・啓発」を図る。

▼教職員の資質・能力の向上

　教職員は、法令を順守し、時代の要請に応じて、積極的・継続的に研修に努めるなど教職員としての資質・能力の向上に努めることが重要。

　そのため「専門性を高める研修会等へ積極的に参加するよう促進」「幌延情報教育センター等が主催する実践的指導力を高める指導を充実」「教職員の服務規律の徹底」「町アクションプランに基づいた働き方改革推進」に努める。

(市町村 2024-04-05付)