上士幌町 6年度教育行政執行方針 教育支援センター 設置準備室開設 不登校児の居場所づくり(市町村 2024-04-05付)
上士幌町教委・小堀雄二教育長
【帯広発】上士幌町教委の小堀雄二教育長は6年度教育行政執行方針において、不登校児童生徒の居場所の一つとして、仮称・上士幌町教育支援センター設置準備室を生涯学習センター内に開設する意向を示した。また、学校と連携して、保護者の学習機会や懇談機会を設け、不登校の誤解と不安を解消する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼地域ぐるみの子育て支援体制
第2期町子ども・子育て支援事業計画の検証・評価と貧困に関する調査等を行い、本町のこども施策の新たな柱となる仮称・上士幌町こども計画を策定する。その過程において子どもと若者の意見を対面・オンライン・ウェブアンケートなどの多様な方法を通して計画に反映する。
▽子育て支援の充実
経済的に不安を抱くことなく安心して子育てができるよう、引き続き、認定こども園における保育料等の無料化のほか、小中学生の修学旅行経費や学習教材の助成、生理の貧困への対応を進める。要保護児童生徒援助費補助金の単価引き上げに伴う就学援助世帯への増額支援を行い負担の軽減を図る。
特別支援学級に在籍する児童生徒の保護者への支援として、特別支援教育就学奨励費の支給や社会教育事業における参加料等の減免措置を行い体験の格差が生じないよう進める。
首都圏と上士幌を結ぶ2拠点教育を可能とした「Two―Way留学」は、前年度3家族9人が延べ128日間滞在した。地元の子どもたちとの交流のほか、SDGs学習として畑作や酪農を学ぶなど、留学生一人ひとりがテーマを持って地域と共生する機会となった。本年度も双方にとってメリットが得られるよう相談支援に努める。
▽子ども発達支援センター・こどもと子育ての相談センターそらの充実
学びにアクセスできない子どもをゼロにする目標を掲げ、不登校児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたい時に学べる居場所の一つとして、仮称・町教育支援センター設置準備室を生涯学習センター内に開設し、受け入れを開始する。設置に際しては、登校という結果の実を目標とせず社会的な自立が図られるよう体験とコミュニティ活動の選択肢を増やし、それぞれの児童生徒の状況に応じた支援が可能となるよう検討する。学校とも連携した保護者の学習機会や懇談機会を設け、不登校の誤解と不安を解消し、自信と安心に向かって道が開けるよう対話と交流を図る。
▼教育環境の整備
▽GIGA・ICTによる情報活用能力を育むための環境整備
端末の使用を進める中で、故障頻度の増加やバッテリーの経年劣化、ネットワーク環境など新たな課題も生まれていることから、必要な修繕や環境改善を図る。本年度は、小学校にデジタル教材「まなbell」を導入し、情報のリテラシー向上に活用する。
▽暑さ対策
こども園の3歳から5歳用保育室および教職員の事務室に冷房設備を整備するとともに、熱中症対策として、中学校玄関前に水飲み場を設置する。
学校の長期休業期間については、年間「50日以内」は変更せず、夏は概ね30日、冬は概ね20日とする。
▽教職員の働き方改革
「上士幌アクション・プラン」による、学校閉庁日や定時退勤日の設定、タイムカード導入による勤務時間の見える化、教員業務支援員などの人材の活用を進め一定の成果を上げている。こうした実効性のある取組を進め、教員一人ひとりが変化を実感できるよう工夫改善に努める。
▽中学校部活動の地域移行
「部活動の地域移行」自体を目的化せず広い視点を持って町民との対話と交流の好循環が生まれるよう、横断的な人材による学習・検討委員会を開催する。
▼義務教育の充実
▽社会を生き抜く確かな学力の向上
教師が教え込む授業から子どもたちが主体的に学ぶ授業へとシフトできるよう、自ら学び自ら考える力を育てる探究型の授業展開を充実させる。
▽環境教育・ESD/SDGsの推進
脱炭素先行地域としてSDGsを推進する本町は、4校種からなる「かみしほろ学園」のグループテーマを持続可能な社会を創る人材育成の教育(ESD)と捉え、SDGs達成に資するチャレンジ精神や探究心、コミュニケーション能力等の育成のための教育(アントレプレナーシップ教育)を一層進める。
(市町村 2024-04-05付)
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