深川市 6年度教育行政方針 給食費無償 4~9月に拡大 統合型校務支援システム導入
(市町村 2024-04-08付)

 【岩見沢発】深川市教委の吉村理明教育長(当時)は、第1回市議会定例会で6年度教育行政方針を説明した。給食費の無償期間を4月から9月までの半年間に拡大。10月以降においても、1食当たりの負担額をこれまでと同額に抑え、保護者負担の軽減を図る。

 このほか、教職員の働き方改革の推進について、7年度の本稼働を目指し、統合型校務支援システムを導入。教職員の校務の効率化と情報共有を図り、時間外在校等時間の削減に取り組むとした。

 教育行政方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

 確かな学力の育成については、これまでの各学校における学校改善プランによる取組のほか、教師主導型の学びから子どもが主体となる学びへ移行するためにICT端末やデジタルドリル等を効果的に活用し、個別最適な学びと協働的な学びをさらに進めた授業の改善を進める。

 読書活動については、子どもたちの読書習慣の定着を図るため、学校司書による授業での図書の活用や、児童生徒が図書に興味・関心を持つきっかけを創出するとともに、市立図書館と連携して朝読書や家読を推進することで、読書時間の増加や読む力の向上に努める。

 悩みを抱える子どもや保護者への支援については、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置や、電話による相談窓口である「子どもと親の相談室」の設置によって、子どもや保護者の多様化する悩みに寄り添い、心理面からのサポートや学校および関係機関と連携した体制づくりなど問題の解決に向け対応する。

 また、何らかの要因によって学校に行けない児童生徒に対しては、これまでも適応指導教室「しらかば教室」に専任指導員を配置し、子どもたちの社会的自立や学校復帰に向けた支援を行っていたが、施設を現在の総合福祉センターから健康福祉センター「デ・アイ」に移転、拡張するとともに、名称を教育支援センター「しらかば教室」に改め、より一層、受け入れ体制の充実を図る。中学校においては当該生徒を対象にしたサテライト教室などを設置し、当該生徒への支援体制を整える。

 いじめは、どの学校においても生じ得ることを認識し、未然防止・早期発見や積極的な認知に努め、さらに北空知地域いじめ問題対策専門家会議と連携して適切な対応に努める。

 子どもたちの健やかな体の育成については、生涯にわたって健康を保持・増進できるよう、基礎的な運動能力を育むとともに、生活習慣の確立や学校保健の推進、スポーツに親しむ機会の創出に取り組む。

 また、部活動の地域移行については、北空知地域全体における検討を進める。

 学校給食においては、給食費の無償期間を4月から9月までの半年間に拡大するとともに、10月以降においても、北空知圏学校給食組合が6年度から改定する給食費の増額相当分を市が負担することで、1食当たりの負担額をこれまでと同額に抑え、保護者負担をさらに軽減する。

 子どもたちの安全・安心の確保については、防災教育や交通安全教育の充実を図るとともに、関係機関による通学路の点検や交通安全対策を行うなど、社会全体で子どもの安全を守るため、家庭・地域の協力を得ながら、安全・安心な教育環境の整備を進める。

 また、学校・家庭・地域が緊密な連携を図り、未来を担う深川の子どもたちを地域全体で育てていくことが大切であることから、コミュニティ・スクールの制度を活用して、地域と共にある学校づくりに向けた取組を進める。

 学校間連携については、中学校区内の小学校間、また、小学校と中学校における交流や協働学習などを通じて、子どもたちの社会性を培い、小学校から中学校への円滑な接続にもつながるような取組を進める。

 特別支援教育については、障がいのある子どもも障がいのない子どもも共に学ぶインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、全ての学校において、子ども一人ひとりのニーズに応じた教育の場を提供し、自立や社会参加に向けた教育を進められるよう指導や支援を行う。

 小・中学校の空調設備については、国の5年度補正予算による補助金の活用によって、未整備となっている3校への整備を、計画より1年前倒しとなる、6年度中に実施し、市内全校への整備を完了する。

 教職員の働き方改革の推進については、7年度の本稼働を目指して、統合型校務支援システムを導入し、教職員の校務の効率化と情報共有を図ることで、子どもたちと接する時間を確保するとともに教職員の時間外在校等時間の削減に取り組む。

 市内公立高校への支援については、地域の未来を担う人材を育成している深川西高校と深川東高校について、引き続き、それぞれの高校の魅力ある取組を支援するとともに、両校に対して行っている支援事業や高校の魅力について、市内と北空知管内の児童生徒および保護者等に向けた情報発信を行う。

 両校が市内の児童生徒にとって身近に感じられるよう、市内小・中学校との連携事業等を継続して実施する。

▼生涯学習活動の推進と社会教育の充実

 生涯学習機能を有する中央公民館の代替施設として整備を進めている複合施設については、関係機関・団体などから意見を伺う機会を設けながら、具体的な整備内容などについて検討を進める。

 次代を担う青少年の健全育成については、子どもたちの成長に望ましい基本的生活習慣の意識付けを各家庭で取り組む「早寝早起き朝ごはん運動」の推進など、家庭教育に対する支援のほか、異世代間や地域の人たちと交流する機会として、学校・家庭・地域が連携した家庭教育・学社融合推進事業や、地域の豊かな社会資源を活用した土曜日の教育支援体制等構築事業などを実施する。

 生き生きスポットの開設など、放課後等における子どもたちの安全・安心な居場所づくりや、青少年指導委員による地域巡回指導、少年相談窓口の設置など、子どもの健やかな成長をサポートするための取組を引き続き推進する。

 子どもたちの自主性やリーダーシップの醸成については、学校や地域の枠を越えた交流や活動の機会として、リーダー養成事業や、子どもたち自らが企画・運営する事業など、学校・家庭・地域社会と連携し地域社会で実践できる場の提供に取り組む。

(市町村 2024-04-08付)

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