札幌市社会教育委員会議 5年度議論〈下〉(札幌市 2024-04-09付)
教育的価値の啓発
▼保護者や子どもたちに体験活動への興味・関心に働きかけるきっかけづくり
▽キッザニアのような形で多様な自然体験ができる機会
▽保護者の職場を子どもたちが見学する機会
▽放課後に短時間かつ無料でできる体験活動の機会
▽市有施設や学校等を活用した遊びの機会
▽アニメや漫画等を入り口とした事業の実施
▽街の中心部や繁華街等の人目につきやすいところにちょっとした体験の場を設ける
▽体験活動を楽しんでいる人の話を聞く機会
▽大人が体験活動の良さを分かっていないと子どもの体験につながらない。まずは大人(親)の興味が湧く取組が必要
▼興味・関心に働きかけた上で必要な情報を届ける仕組みづくり
▽身近な公園や各区PTAで行われている事業のさらなる周知
▽ホームページやSNSを活用した広報
▽事業の情報や口コミ、活動場所の情報等を集約したサイトの構築
▽学校・保護者間連絡システム(すぐーる)を活用した事業周知
▽ひとり親家庭とつながりを持っている支援団体等との連携
▼興味・関心をさらに深める仕掛けづくり
▽体験活動の共同開催(「体験の日」の設置)
▽体験活動アドバイザーの設置
▽スタンプカードなどを作成して活動の達成度や習熟度を測ることでさらなる意欲向上につなげる
【議論を踏まえて】
▼きっかけづくりにおいては、子どもや保護者が何に関心があるのかを把握する必要があり、ニーズに応じて様々な選択ができることが重要
▼自然体験においては、初心者向けにハードルをなるべく下げた内容を提供して、少しずつ積み上げていくような試みも重要
▼仕組みづくりにおいては、市や各団体が行っている事業があまり知られていない状況があることも考慮し、事業の情報を集約・発信するサイトの構築なども検討する必要がある
▼ひとり親家庭への広報に当たっては、既にそうした家庭とつながっている団体と連携することも効果的
▼仕掛けづくりにおいては、興味・関心がさらに深まるよう専門家(アドバイザー等)を設置するほか、活動が将来のインセンティブとなるような工夫も必要
各委員の主な意見
▽会議を通じて体験教育というものがどれほど大事なものか再認識することができた
▽自身の体験が様々な生きていく力を強め、それが最終的には学校教育と連動してさらに高まっていくものと思っている。社会教育と学校教育、体験と学習を区別せず、人間をつくる意味で相互に連動した活動であるという視点が大切なのではないか
▽学校現場では、自然体験にかかわらず、文化的な体験も時間や予算等の関係で減ってきており、これらに関してもあらためて考えていかなければならないと感じた
▽体験活動の推進に当たっては、学校教育と社会教育の両輪で進めていくことが大切で、主人公は子どもであることを強く実感した
▽自分たちのことで精いっぱいで一歩を踏み出せず、大人になっていく中で苦しい期間が長く続いている方を多く見る中で、知らない文化や体験に触れる機会をどうつくるか、そうした機会の中で居場所であったり、自分らしく生きるきっかけづくりの一つになれば
▽学校教育も社会教育も課題が多い中、それらを前へと進めるためにも、重要なことは学校・家庭・地域が一丸となって手を取り合っていくということに尽きると感じている。札幌に生まれ、札幌で育って良かったと思えるよう、行政のみならず全市一体となって考える良い契機となった
▽できるかできないかは別として、まずはやってみるということが大切。そんな気持ちを子どもたちに持っていただきたい。自然体験をはじめ、職業体験など様々な体験の場を充実させていくことが重要であるとあらためて認識した
(連載終わり)
(札幌市 2024-04-09付)
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