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名寄市　６年度教育行政執行方針　全小・中に空調設備　電子教科書やＡＩドリル導入
（市町村 2024-04-09付）

岸教育長

　【旭川発】名寄市教委の岸小夜子教育長は６年度教育行政執行方針において、安全・安心な教育環境の整備に向け、市内の全小・中学校の普通教室に空調設備を設置する考えを示した。また、デジタル教科書やＡＩドリルの導入などＩＣＴ環境の整備を進め、教育ＤＸを推進する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼信頼される学校づくりの推進

　学校と地域がパートナーとして連携・協働しながら学校運営に取り組む「コミュニティ・スクール」の一層の推進に努めていく。

　学校と地域との連絡・調整を図り、連携・協働を推進するために市内の全学校運営協議会に配置した地域コーディネーターが、その役割を発揮できるよう取り組んでいく。

　各学校の学校経営については、学校評価によって明らかになった成果と課題を踏まえ、本市共通モデルの学校経営計画および学級経営案を効果的に活用して、組織的・継続的に改善が図られるよう取り組んでいく。

　小中一貫した教育については、義務教育９年間を連続した教育課程と捉え、各小・中学校が学習指導や生徒指導で協力して児童生徒の資質・能力を伸ばすことが大切。

　智恵文地区においてはことし４月に市では初となる義務教育学校の「智恵文小中学校」が開校することから、義務教育学校としての基盤を整え、地域の特色を生かした９年間の系統性・連続性のある教育課程の編成・実施に努めるとともに、風連地区では市小中一貫教育校合同連絡協議会を計画的に開催し、取組内容の質を高める。

▼生きる力を育てる教育の推進

　各学校の教育課程については、家庭や地域と連携・協働して教育活動の充実を図るよう適切な編成・実施に努める。

　確かな学力を育てる教育の推進については、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図るため、授業でデジタル教科書やＡＩドリルの導入などを進め、指導方法・体制の工夫改善に努める。

　家庭と連携しながら、１人１台端末の持ち帰りによるＡＩドリルの活用を図るなど家庭学習の充実に向けた取組を推進する。

　豊かな心を育てる教育の推進については、特別の教科・道徳を要として、地域教材の効果的な活用や家庭、地域との連携を図りながら、学校教育活動全体を通じて道徳性を養う道徳教育の充実に努める。

　生徒指導については、課題解決的な対応にとどまることなく、課題の未然防止ができるよう積極的な生徒指導の充実に努める。

　いじめの根絶に向けては、全ての教職員がいじめの定義や組織的な対応などについて一層理解を深め、家庭や地域、関係機関と連携した未然防止、早期発見・対応に努める。

　「市小中高いじめ防止サミット」を引き続き実施し、各学校のいじめ防止の取組の交流を通じて、児童生徒の自発的・自治的な活動によるいじめ根絶の取組の活性化を図り、いじめ根絶の取組を徹底する。

　ことし４月からの学校給食費の値上げに対して支援を行い、安定的な給食の提供に努める。

▼社会の変化や多様な教育ニーズへの対応

　特別な支援を必要とする児童生徒への就学前から学齢期、社会参加まで、関係機関などとの連携を充実させながら、切れ目ない支援体制の整備を図る。

　名寄市立大学と連携し、特別支援教育に関する研修の充実や特別支援学校教諭免許状の取得率向上を目指す。

　一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな支援に努めるため、学習支援員、生活支援員の適切な配置や名寄版個別の支援計画「すくらむ」の効果的活用に努める。

　不登校児童生徒への対応については、学校における児童生徒理解・教育支援シートなどの各種データを有効に活用するとともに、各学校が関係機関と連携を図りながら、組織的・計画的・継続的に対応する。また、適応指導教室の利用や学校における別室登校など受け入れ体制の工夫、１人１台端末を活用したオンラインによる学習支援やカウンセリングなど、多様で効果的な教育や相談の機会・場の確保に努める。

　情報教育については、１人１台端末を適切、効果的に活用した教育活動の充実と必要なＩＣＴ環境の整備に努め、教育ＤＸを推進する。

　最近のインターネット上での誹謗中傷やいじめ、犯罪や違法・有害情報の問題の深刻化、インターネット利用の長時間化などの状況を踏まえ、児童生徒に対して「情報社会で適正な活動を行うためのもとになる考え方と態度（情報モラル）」の育成に努めていく。

　部活動改革については、国が示した「段階的な地域部活動への移行」に向け、地域の文化・スポーツ団体やＮスポーツコミッションなどと協議を進めるとともに、市教育改善プロジェクト委員会と連携し、教職員の負担軽減と生徒の活動機会の確保を両輪とした「ＮＡＹＯＲＯスタイル部活動改革推進事業」の推進に努める。

▼安全・安心な教育環境の整備

　未耐震で老朽化が著しい名寄中学校は、本年度から校舎などの改築を進める。

　名寄東中学校は、名寄産業高校光陵キャンパスの活用に向けて道教委と協議を進める。

　学校の猛暑対策として、市内小・中学校の全ての普通教室に、可能な限り早期に空調設備の設置を進める。

【社会教育】

▼家庭教育の推進

　地域全体で家庭や子どもを支え見守る環境をつくるため、市民への啓発や道教委と協定を締結する家庭教育サポート企業の拡大に努める。

▼青少年の健全育成

　適応指導教室では、生活支援や学習支援を行いながら、学校復帰と社会的自立に向けた取組を行う。