富良野市 6年度教育行政執行方針 こども家庭センター開設 冷暖房設備設置で脱炭素化(市町村 2024-04-09付)
近内教育長
【旭川発】富良野市教委の近内栄一教育長は6年度教育行政執行方針において、不登校児童生徒の教育機会の確保などに向け、こども家庭センターを開設し、全ての子どもの発達段階や特性に応じた相談・支援体制の充実を図る考えを示した。また、夏季の暑さ対策として、各学校にゼロカーボン効率の高い冷暖房設備の設置を進める。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育】
▼主体的な学びを育てる 知育の木
学力向上について、全国学力・学習状況調査を実施し、新しい時代に求められる資質・能力の育成に向け、主体的・対話的で深い学びの視点から「子どもに委ね支える授業」の実現に向けた授業改善を推進するとともに、小中学生対象の標準学力検査(NRT)によって学力を経年で把握・分析し、教育指導の充実、学習状況の改善を図る。
家庭学習の質を高め、自立した学習者の育成に向け、端末持ち帰りのルールなどを指導するとともに、児童生徒が安全・安心に端末を使用できるよう保護者や地域の人々にも理解と協力を得ながら取り組む。
外国語・国際理解教育については、外国語でコミュニケーションを図る資質・能力を着実に育成するため、児童生徒が市Can―Doリストをもとに学習到達度を意識し、主体的に学ぶ授業づくりに向けた研修会を定期的に実施するとともに、ICTやデジタル教科書の活用促進、全ての学校へ外国語指導助手を派遣するなど指導体制の充実を通して、バランスの取れた英語力を身に付け、国際社会を生き抜く資質・能力の育成に努める。
ICT教育については、児童生徒1人1台の端末の持続的な活用やネットワーク環境のさらなる改善に取り組むとともに、新たにICT支援員の配置、教師のICT活用指導力の向上などをさらに推進していく。
学習活動におけるICT機器の操作方法の習得、論理的思考力、情報モラル、情報セキュリティー、統計などの情報活用能力を育成するとともに、学びの保障に向け、遠隔授業やオンライン学習などを積極的に推進する。
特別支援教育については、一人ひとりの教育的ニーズを把握し、個別の支援計画・指導計画を活用した効果的な支援や合理的配慮の提供に加え、本人や保護者の意向を最大限尊重した適切な就学先の決定など、状況に応じて適切な指導や支援を受けられるよう努める。小学校における通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童の割合が増加傾向にあり、中学校段階においても支援を必要とする生徒の増加が見込まれることから、中学校にも通級指導教室を新たに設置し、自校通級や巡回指導などを推進する。
▼自主自律の心を育てる 情意の木
道徳教育については「特別の教科 道徳」を要とした道徳教育を推進するとともに、富良野にゆかりのある講師陣による「心に響く道徳教育」を実施し、生命の大切さや思いやり、感動する心など、豊かな心を育む「心の教育」の充実に努めていく。
キャリア教育の推進については、社会の中で自分の役割を果たし、自分らしいライフキャリアの実現を見据え、児童生徒が学ぶことと自己の将来とのつながりを理解し、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育成するとともに、郷土への理解や郷土愛を育み、地域づくりへの参加意識を醸成するため富良野版キャリア・パスポート「マイノート」などを活用し、成長段階に応じた体系的・系統的な教育を推進していく。
不登校児童生徒への支援については、多様な教育機会の確保に向けて、教育支援センターを保健センター内に「こども家庭センター」と併設し、指導員の複数配置、専門職による相談業務の機能強化などを図るとともに、不登校の予防と適切な対応に向け、1人1台端末を活用し、児童生徒の健康状態や気持ちの変化を確認するスクリーニング体制を充実し、組織的・客観的な状況把握などによる社会的自立のためのアウトリーチ型の支援を行う。中には、オンライン上であっても他の児童生徒や教師との同時双方向の関わりが困難な子どももいることから、オンデマンド型学習コンテンツの利用促進・周知に取り組む。
いじめ防止については、積極的な認知と早期の組織的対応、関係機関との連携、未然防止など、いじめ防止対策強化を推進する。全ての児童生徒が自発的・主体的に自らを発達させていくことを尊重し、学校・教職員が支えるという生徒指導に重点を置いた対応に努める。
▼恵まれた環境と食で育てる 健康の木
環境教育については、東京大学北海道演習林等の恵まれた森林資源を活用した森林学習プログラムの充実と活動体制の強化に努めるとともに、地域の自然環境を生かした体験活動、持続可能な開発のための教育(ESD)の推進によって、本市が進めるゼロカーボンシティの実現に向けた認識をさらに深め、持続可能な社会の創り手の育成に努めていく。
▼原点を見つめ未来への輪を広げる 学びの大地
学校施設の整備については、富良野西中学校改修工事の設計を実施するとともに、夏季の暑さ対策として、各学校にゼロカーボン効率の高い冷暖房設備の設置を進める。
高校教育については、市内の高校2校が7年度に新設校として再編されるに当たり、教育活動の充実による魅力的で地域から求められる高校づくりに向けて、支援を進める。
【社会教育】
▼切れ目のない子育て支援
ことし4月に開設する「こども家庭センター」を拠点に、関係機関との連携を図り、乳幼児期における健やかな育ちを支援するとともに、切れ目のない包括的な相談・支援、子どもの権利を守るための支援を充実させる。
(市町村 2024-04-09付)
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