上士幌町教委 生涯学習センターに 教育支援センター開設準備室設置へ 5月10日から不登校児等支援
(市町村 2024-04-09付)

 【帯広発】上士幌町教委は5月10日から、町生涯学習センター内に教育支援センター開設準備室「ふらっと」を設置する。登校に悩みを抱える児童生徒・保護者を受け入れながらニーズを把握し、将来的に教育支援センターの開設を目指す。主に町費負担教諭や児童福祉関係者が、学校と児童生徒・保護者の架け橋となって伴走支援を図る。町教委は「学校復帰を目的とせず、社会で生きる力を育成したい」と話している。

 不登校児童生徒数の増加が全国的に叫ばれる中、国は「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)を打ち出し、児童生徒やその保護者に向けた支援の充実を目指している。プランの中でも「不登校児童生徒が学びたいと思った時に学べる環境の整備」として、教育支援センターの設置や機能強化の必要性などを各地に呼びかけている。

 町では約10人の子どもたちが登校に悩みを抱えているが、教育支援センターやフリースクールなどの受け皿が町内にはない状況。日々を家庭内で過ごすほか、町内の生涯学習センターや図書館に加え、広域で受け入れを許可している町外の教育支援センターに通所する子どもも複数人見られるという。

 町教委は、児童生徒の居場所づくりや受け入れ体制を課題と捉え、町生涯学習センター内に、教育支援センター開設準備室「ふらっと」を設置する。不登校児童生徒や保護者を受け入れながら、施設の場所や活動内容、室内のレイアウトなどのニーズを把握し、将来的に町や子どもたちの実情に応じた教育支援センターの開設を目指す。

 生涯学習センターは、日頃から町内児童生徒や町民が集う場であり、地域交流の中核となっている。「ふらっと」の開設後、手芸や陶芸等のサークルと連携した体験活動なども想定している。

 運営は町費負担教諭や退職校長、町教委職員らが複数人体制で携わる。町費負担教諭は小学校と「ふらっと」を往来し、学校と児童生徒・保護者の架け橋として両者の思いを共有する。

 また、町こどもと子育ての相談センターうみそらの職員は、小・中学校を巡回する中で教職員からの相談も受け付けており、児童福祉の観点を踏まえた伴走支援を図る。

 5月10日の開設から8月までを第1期とし、毎週月曜・金曜の午前10時から2時間ほど運営する。9月以降は週3日の午前・午後4時間とする予定で、活動の充実を図っていく。

 町教委は「学校復帰を目的とせず、社会で生きる力を育成したい」「ふらっと来たい時に立ち寄り、フラットな気持ちを持てる、一つの居場所になれば」と話している。

 開設に先立ち、今月12日に地域住民や保護者を対象とした説明会を開く。15日からは施設見学や事前相談の受付を開始する。

(市町村 2024-04-09付)

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