芦別市 6年度教育行政執行方針 部活動地域移行へ協議 新しい芦別中がスタート(市町村 2024-04-10付)
芦別市教委・福島修史教育長
【岩見沢発】芦別市教委の福島修史教育長は、第1回定例市議会で6年度教育行政執行方針を説明した。部活動の地域移行について、7年度からの休日部活動の地域移行に向けた受け皿づくりの整備など、部活動の地域移行の在り方について協議する。
また、中学校の統合について、6年度4月から「新しい芦別中学校」としてスタート。中学校統合準備委員会等で協議決定された内容を踏まえながら、円滑に教育活動を推進するなどの方針を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育】
6年度の市学校教育推進計画を踏まえ、主体的・対話的で深い学びを実現するため、組織的な授業改善として取り組んでいる授業スタイルである「芦別スタンダード」の定着と子ども主体の授業の実現、特別支援教育の充実、さらには、ICT機器を活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学習の推進等、これまで積み上げてきた教育実践をさらに充実させ、児童生徒の生きる力の育成に努める。
また、コミュニティ・スクールの充実によって、地域の教育力や教育資源をより一層活用し、地域に根差した教育を推進。社会に開かれた教育課程の実現を目指す。学校における働き方改革について、さらなる業務の効率化を図り、教職員が子どもたちと向き合う時間を確保するとともに、教職員一人ひとりがやりがいを持って業務に専念できる環境の整備に努める。
部活動の地域移行について、昨年10月に部活動改革検討協議会を組織し、中学校における部活動の地域移行の観点だけではなく、幼児、小学生、高校生など各世代の市民の皆さまを対象に、本市におけるスポーツ・文化芸術活動の機会を地域全体で支える点も含めて検討を進めているほか、7年度からの休日部活動の地域移行に向けた受け皿づくりの整備など、部活動の地域移行の在り方について協議する。
各学校の普通教室等にエアコンを設置し、抜本的な暑さ対策を図るほか、省エネルギーかつ長寿命のLED照明への更新を実施するなど、快適な教育環境を整備する。中学校の統合について、6年度4月から「新しい芦別中学校」としてスタート。中学校統合準備委員会等で協議・決定された内容を踏まえながら、統合後においても円滑に教育活動を進めることができるよう取組を進める。
▼学ぶ力の育成
児童生徒が自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら問題を解決する資質や能力としての学ぶ力の育成を図るため、芦別スタンダードの定着を進め、授業改善と指導力の向上を図るとともに、家庭と連携した家庭学習の習慣化の取組を推進。学校においては、教師によるきめ細かい指導や支援を行うため、国の教員加配制度の活用や市費負担の学習サポート教員を配置して、習熟度別指導、個に応じた指導や繰り返し指導を充実する。
小学校高学年における教科担任制の実施など、専門性を高めた授業に引き続き取り組む。家庭学習の習慣化と質の向上を図るため、1人1台端末の家庭への持ち帰りを進めるとともに、1人1台端末にデジタルドリルなどの活用が可能となる学習支援ツールの充実を図るほか、漢字検定、算数・数学検定、英語検定などの検定料助成事業を拡充し、これまで小学校3年生以上としていた検定受験料の助成対象を小学校1・2年生までに対象範囲を拡大し、主体的に学習に取り組める環境を整備する。
▼特別支援教育の推進
特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態や保護者の意向を踏まえた上で、学校が一体となって一人ひとりの能力、特性に応じた適切な指導を行うため、個別の教育支援計画・個別の指導計画を作成し、子どもたちの将来を見据え、計画的・組織的な教育活動を推進する。
各校の特別支援教育コーディネーターを中心として、校内における共通理解、共通認識のもと、通常学級に在籍するつまずきや困り感のある児童生徒の把握に努め、教員はもとより、各小・中学校に配置する特別支援教育学習支援員を活用し、きめ細かな指導の充実と個に応じた支援体制を維持する。
▼小中一貫教育の推進
市小中一貫教育協議会を中心に、学力の向上、中1ギャップの未然防止、特別支援教育の充実、家庭・地域との連携・協働を目的として、市が目指す小・中学校9年間を通じた一貫性・連続性・系統性のある教育活動を充実。市内小・中学校が協力して実践・交流を計画的に推進するとともに、ふるさと・キャリア教育を通して郷土に愛着を持つ子どもの育成を目指して取り組む。
▼豊かな心の育成
児童生徒一人ひとりの人格のより良い発達を促すため、生命を大切にする心や、他を思いやる心など、豊かな心の育成を目指して、考え、議論する道徳の授業を推進するほか、炭鉄港や文化財などのほか、基幹産業である林業や農業を知るための木育・農業体験にも取り組み、地域の教育的資源を積極的に活用した活動を実施するとともに、それらの活動を記録するキャリアノートの作成を通じて、郷土に誇りと愛着を持つ子どもの育成を目指し、ふるさと教育を推進する。
読書好きの子どもを育成するため、市立図書館と連携し、読書への意欲や関心を高める取組を実施するほか、芸術や文化に親しむ機会を増やすなど、多様な体験の充実を目指す。いじめの未然防止、早期発見、早期解消について、いじめが起こりにくい学級づくりに努め、学校における組織的対応能力を高めるとともに、学校、家庭、地域、関係機関が一体となって、いじめ根絶に向けた取組を継続、強化する。
児童生徒の不登校について、予兆としての登校渋りなど、児童生徒の変化にいち早く気付き、学校、家庭、スクールカウンセラー、児童福祉関係施設等の関係機関が連携して情報を共有することによって不登校の発生を予防。長期的な不登校事案に対しては、適応指導教室への通級や教育相談の受付など、適応指導教室専任指導員が中心となって支援を進める。
▼健やかな身体の育成
家庭との連携のもと、感染症について正しく理解し、適切な行動が取れるよう指導。また、早寝早起き朝ごはん運動や生活リズムチェックシートを活用した望ましい生活習慣の定着を目指す。
食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けるため、栄養教諭による計画的な食育指導を各学校で進めるとともに、地元産の食材を活用している学校給食を活用し、地産地消の意義についての理解を深めるなど、食育の充実を図る。
▼地域に開かれた信頼される学校づくりの推進
コミュニティ・スクールを活用し、保護者や地域住民の学校運営への参画と協働による取組を推進するとともに、学校関係者評価の結果や保護者、地域の意見を踏まえ、一層信頼される学校づくりを進める。新年度におけるコミュニティ・スクールの組織について、啓成中学校区と芦別中学校区にそれぞれあった学校運営協議会を一つの学校運営協議会に再編し、再編後の協議会に三つの部会、芦別小学校部会・上芦別小学校部会・芦別中学校部会を設置。学校の応援団として地域総がかりで学校運営に参画・協働してもらう取組をさらに推進する。
▼安全確保対策の推進
不審者対応、交通安全、防犯・防災に関して、PTAや関係機関、団体と連携・協力し、児童生徒の日常の安全確保体制を整備するとともに、危険予測、危機回避能力の育成のための体験教室や被害防止教育を推進するほか、1日防災学校の実施など、防災教育を推進する。
▼安全・安心で魅力ある学校給食
地元で取れたコメや野菜などを中心に国内産食材を使用し、地産地消の推進と栄養バランスに配慮したおいしい学校給食の提供に努める。食中毒や異物混入の防止、学校と連携した食物アレルギーの事故防止に努め、安全で安心な学校給食を提供する。
学校給食費について、食材原価の高騰によって見直しが必要。子育て世帯の保護者負担の軽減を図り、子育て支援を推進するため、5年度において、小学生に対する給食費を無償化した。新年度については、小学生と同様に中学生における給食費の無償化を実施し、子育て世帯の保護者負担の軽減を図り、子育て支援をさらに推進する。
▼高校・高等教育機関等への支援
芦別高校の入学生の確保に向けた支援策として、通学費・検定試験等受験料助成事業、学力向上対策事業に対する補助金交付事業のほか、入学生のうち市内に住所を有する保護者に対する就学奨励費助成金の交付事業を継続し、地元からの進学率向上のための支援を実施していく。
芦別高の魅力づくりを進めるため、情報発信の支援、高校生と小中学生の交流、教員の交流などに芦別高と連携して取り組むほか、芦別高が新年度から導入するコミュニティ・スクールについて支援する。7年度の芦別高の募集定員について、1間口となる懸念があることから、現状の2間口による募集について、市高校問題協議会において協議する。
【社会教育】
▼家庭教育の推進
学校、家庭、地域との連携を図りながら情報提供や親子参加型の体験教室などの事業を行うとともに、望ましい家庭学習の習慣化や規則正しい生活習慣の形成を推進するため、通学合宿などの体験学習事業を通じて子どもの生きる力を育む家庭教育への意識の醸成と充実に努める。
(市町村 2024-04-10付)
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