下川町 6年度教育行政執行方針 小中一貫教育 7年度開始へ 総合学習指導計画実践など(市町村 2024-04-11付)
下川町教委・川島政吉教育長
【旭川発】下川町教委の川島政吉教育長は6年度教育行政執行方針において、義務教育9年間を見通した質の高い教育の実現に向け、教育委員会規則の改定や5年度に作成した9年間を見通した総合的な学習の時間の指導計画の実践など行い、「施設分離型の小中一貫校」として7年度に運用開始ができるよう準備を進める考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼義務教育9年間を見通した質の高い教育の実現
質の高い学校教育を推進するため、これまでの小中連携教育をレベルアップさせるイメージで、小・中学校段階の教員が目指す子ども像を共有し、9年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指す「小中一貫教育」を「施設分離型の小中一貫校」として7年度に運用開始ができるよう準備を進める。
教育委員会規則の改正、5年度に作成した9年間を見通した総合的な学習の時間の指導計画の実践、小・中学校で相互に教職員の乗り入れ授業の促進、学校行事や児童・生徒会行事等における合同開催の可能性を検討などを実践する。
コミュニティ・スクールと連携し、小・中学校の教育活動の実態や課題の共通認識を深め、地域活動につなげて、地域・学校・家庭が連携した場づくりを進め、協働活動を活発にする。
クラブ活動や学校行事などに多様な支援スタッフとなる地域学校協働活動推進委員や地域ボランティア等の活用を実践する。
道徳教育では、児童生徒の実態に応じた道徳教育の充実に生かせるよう、道徳推進教師を中心に先進校の取組等の情報提供を行うとともに、相手の気持ちや考えを思いやり、自分と異なる個性を受け入れ、助け合うことができる心豊かな児童生徒の育成を教育計画に位置付け、実践する。
特別支援教育では、特別支援教育コーディネーターや特別支援教育相談員による学習面や生活面に配慮が必要な児童生徒の把握と、小・中学校に特別支援教育支援員を配置し、特別な支援を必要とする児童生徒の学校生活を支援する。
いじめ防止の取組についは、学級担任が中心となって行う定期的ないじめ調査や教育相談だけではなく、校長のリーダーシップのもと、いじめ防止等対策委員会を中心として組織的かつ速やかに対応するよう、各学校への指導を行う。
▼誰一人取り残されない多様な学びの機会の保障
児童生徒一人ひとりの個性を生かし、可能性を伸ばす指導を工夫するとともに、学習環境整備に努めることで、学びを止めず意欲を高めるため、タブレットの更新や遠隔・オンライン授業、課題研修を進める。
ICT支援員と連携した情報モラル教育について、保護者に対して情報発信が与える他者への影響を考えることや犯罪被害の危険の回避などの指導と研修を進める。
地域を基盤としたキャリア教育に力を入れ、一人ひとりの興味・関心を見つける機会をつくり、多様な大人との対話を通じた取組や地域をフィールドとした実践を小学校から高校まで一貫して実施し、自律した社会人に向けて必要となる資質・能力の基盤を育む。
ノルディックスキー競技においては、専門指導員を中心に幼小を中心とした体験会と幼小中高一貫指導を継続し、世界を目指す選手の育成・強化を推進する。
不登校児童生徒への対策として、学校内外でICTを活用した計画的な学習活動を行えるよう、支援の充実に取り組むとともに、個々の児童生徒に応じた組織的・計画的なきめ細かな支援を継続して行う。
▼地域と歩む持続可能な教育の実現
小・中学校の各校長が作成し、学校運営協議会で承認した6年度の学校経営方針と「義務教育9年間でめざす姿」の中に学校運営協議会が地域の願いとしてまとめた「下川を愛する児童生徒像」の項目に、6年度の重点を位置付け、教育委員会、学校と学校運営協議会の3者が、小・中学校の経営状況を共有し、協議しながら、一体となって児童生徒に「生きる力」を育成する。
小・中学校の教職員の専門性を生かし、相互に授業の乗り入れを実施する。地域共育ミーティング・フォーラム等で、地域共育ビジョンに関して学校・家庭・地域の対話を行ったり、関係機関等のアドバイスを受けたりする。
中学校の部活動の地域移行に関しては、部活動改革推進委員会で地域の実情に応じたスポーツ・文化芸術環境の最適化を図り、体験格差を解消し、生徒の成長を保障できるよう、検討を重ね、地域移行を進める。
(市町村 2024-04-11付)
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