置戸町 6年度教育行政方針 小中一貫教育 交流機会増加へ 置戸高で地域みらい留学
(市町村 2024-04-11付)

置戸町平野毅
置戸町教委・平野毅教育長

 【網走発】置戸町教委の平野毅教育長は、3月中旬に開会した第3回町議会定例会で6年度教育行政方針を説明した。小中一貫教育において、新年度は「推進期」と位置付けた2年目の最終年となり、合同行事開催に向けた児童生徒の交流の機会を増やすよう取り組む考えを示した。また、置戸高校への支援について、初めて道外からの新入生を迎えることができそうな状況であることから「地域みらい留学」の制度を活用し、道外からの生徒募集に積極的に取り組む方針を示した。

 教育行政方針の概要はつぎのとおり。

 学校教育について、学校が取り組む一つ目として、9年間の教育課程に「置戸で生きる、未来」を追加し、道徳・学級活動で体系的に取り組む。二つ目は、年2回実施しているいじめ調査のほか、Q―Uテストや毎日行うタブレット端末を利用した健康観察を活用し、子どもたちのわずかな心の変化も見逃さないよう努める。三つ目は、教職員研修の強化。昨年は「ゲートキーパー研修」を実施したが、本年も研修の機会を設け研鑚に努める。四つ目は、小・中学校において危機管理マニュアルの充実を図り、いかなる事態にも迅速に対応できるよう備える。

 つぎに、現在学校運営協議会では、子どもたちが親や先生以外の地域の方々に何でも相談することができれば、別な視点からのサポートになるとの結論に至った。その手始めとして、登下校に限らず日常から子どもたちと垣根を越えて気軽に会話のできる「地域子どもみまもり隊」の組織化を、地域コーディネーターを中心に進める。

 学校教育の重点事項について、小中一貫教育においては、新年度は「推進期」と位置付けた2年目の最終年となり、合同行事開催に向けた児童生徒の交流の機会を増やすよう取り組む。昨年見直しを図った「生活スタンダード」「学習スタンダード」および「9年間をつなぐ家庭学習の手引」の浸透を図り、学校での生活習慣や学習習慣の向上はもとより、家庭学習の充実を推し進める。交流事業においては、感染症対策などを徹底しながら、小中だけではなく幼小・中高が交流する場面を多く創出する。

 近年増加傾向にある不登校児童生徒の対策については、小・中学校教員の情報交換を密にし、保護者や学校が連携しその子にとって最適なサポートとなるよう取り組むとともに、多様な教育環境の提供を模索する。また、教育課程に基づく「仮称・置戸町9年間の学び」の完成を目指す。

 ICT教育については、今後も一層の活用に努めると同時に、ICT関連によるトラブルの未然防止・早期発見・早期対応に努める。

 特別支援教育については、特別な教育的支援を必要とする子どもの数が増加し続けていることから、本年は小学校の特別支援教育支援員を1人増員できるよう取り組む。また、普通学級においても全ての児童生徒に対して高い学習効果が得られるよう分かりやすい授業づくりを進める。

 外国語教育については、小学6年生の英語授業において中学校教諭が授業の半数を受け持ち、児童の成績評定まで行う。また、引き続き外国語指導助手を派遣するとともに、小学校高学年・中学生に対し英語検定の無償化を継続し、英語教育の充実に取り組んでいく。

 読書活動の推進については、本年も引き続き学校巡回司書が小・中学校を交互に巡回し、読書環境の一層の充実に努める。また、学校図書館システムおよびパソコンの更新を行い、事務処理の効率化を図る。

 体力向上対策については、小学5年生および中学2年生を対象に行われる「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」において、小学校では「できなかったことができるようになるから体育授業が楽しい」、中学校では「運動は大切」と回答した割合が全道・全国平均を大きく上回っていることから、体を動かすことに「前向き」であると捉えている。本年も暑さ対策などに配慮しながら体育の授業や部活動を進める。なお、中学生の放課後活動の一環として、希望者に対し教員の勤務時間内に限定したスポーツ活動について検討する。

 就学援助については、新入学生児童生徒の学用品費を入学前に支給するなどの援助を継続する。

 教員の働き方改革については、中学校において引き続きスクール・サポート・スタッフを町費で配置するとともに、外部のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど積極的に活用を図り、教職員の負担軽減に努める。

 学校給食については、小・中・高校ともに本年1食当たり20円、年間4000円の値上げに踏み切るが、これまで以上に工夫を凝らした給食の提供に努めるとともに「ふるさと給食」の継続を図り子どもたちの食育事業を推進する。

 置戸高への支援については、本年初めて道外からの新入生を迎えることができそうな状況であることから「地域みらい留学」の制度を大いに活用し、道外からの生徒募集に積極的に取り組む。また、在校生に対して各種支援を継続するのはもちろんのこと、本町で過ごす3年間を人生の中でも最も印象深い時間となるよう、町民との交流や置戸の自然体験などの機会をさらに増やすことができるよう取り組む。

 社会教育について、児童館および放課後児童クラブ関連では、全ての児童が利用できる新しい児童館の開設に向けた検討委員会を引き続き設置しながら、建設に向けた準備を進める。

(市町村 2024-04-11付)

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