羅臼町 6年度教育行政執行方針 知床学の教育課程確立 先進校参考に海洋教育充実
(市町村 2024-04-09付)

羅臼町石﨑佳典
石﨑教育長

 【釧路発】羅臼町教委の石﨑佳典教育長は、6年度教育行政執行方針において、副読本を位置付けた知床学のカリキュラムの確立とともに、他地域の先進校と意見交換等を行い海洋教育の充実を図り、ふるさと教育を推進していく考えを示した。

 このほか、各校に地学協働活動部会を設置。学校運営協議会の取組について地域への浸透を図ることで、地域と共にある学校と学校を核とした地域の実現を目指していく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育の推進

▽教育環境の充実

 町立小学校・町立幼稚園適正配置計画については「子どもにとって望ましい教育環境の一層の充実を目指して」関係団体や幼稚園・小学校のPTA、地域住民としっかりと協議し、町にとって最も望ましい適正配置計画を策定していく。

▽幼小中高一貫教育

 全ての幼稚園、小・中学校、高校の教職員によって構成される「町幼小中高一貫教育推進協議会」において、3~18歳までの15年間を見通した一貫教育に取り組んでいく。自然豊かな知床・羅臼町で育つ園児・児童・生徒が、これからの未来をたくましく生き抜くことに必要な、心豊かで健全な人間形成を図るため、様々な取組を進める。

▽キャリア教育の充実

 小学1年生から中学3年生までの9年間を見通した「町版キャリアパスポート」によって、それぞれの個性に応じた進路の実現につながるよう努める。また、各種団体と連携のもと多種多様な職場体験の場を設け、児童生徒の将来の職業選択の幅を広げる。

▽体力・運動能力の向上

 幼稚園、小学校にコオーディネーショントレーニングを導入し、運動に関する興味・関心・意欲の向上を図る。

▽ふるさと教育の充実

 持続可能な社会の担い手を育む教育を推進するため、知床学として「クマ学習」「生態系学習」「海洋教育」などを推進してきた。6年度は、副読本を位置付けた知床学のカリキュラムを完成させるとともに、他地域の先進校と意見交換や課題協議を行い、海洋教育の発展に努めていく。

▽グローバル人材の育成

 人口減少に伴い、羅臼高校への進学者が減少傾向にあるため、一定の入学者数を確保し存続させるために、道内先進校の視察を行う。

▼学びの機会を保障し、質を高める環境の確立

▽教職員の資質・能力の向上

 教師個々の授業力を高めることが学力向上に大きく関わることから「個別最適な学び」を充実するために、先進校から実践を学び、道立教育研究所と連携した研修講座を実施する。また、小・中学校においては、道教育大学附属釧路義務教育学校と連携した研修を実施し、教師の授業力向上に努める。

▽働き方改革の推進

 第2期町アクション・プランの取組期間を6年度までとして、教育委員会と小・中学校が緊密に連携・協力しながら目標の早期達成に向けて取り組んできた。第3期町アクション・プランについても改定していく。

▼地域と歩む持続可能な教育の実現

▽地域と学校の連携・協働の推進

 学校運営協議会の取組を地域に浸透させていくために、各校に「地学協働活動部会」を設置。地域と共にある学校と学校を核とした地域の実現を目指す。

▽生涯学習・社会教育の振興

 中学校の部活動の地域移行については、現在、関係者による「町のスポーツ・文化の在り方検討協議会」を設置し、持続可能な運営体制について検討している。一定の方向性がまとまり次第、町民への説明会や意見交換など情報発信していくとともに、新しい地域の生涯スポーツや文化活動を確立させていく。

▽安全・安心な教育環境の構築

 社会教育における防災教育については、関係団体と連携して利用者の安全対策や初動マニュアルなどを確立し、防災意識を高めていく。

▽芸術文化活動の推進

 新図書館については、6月のオープンを目指している。次代を担う子どもたちの生きる力を育むため、家読(うちどく)事業を充実させるとともに、町民の学習の場として活用を図る。

(市町村 2024-04-09付)

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