6団体4個人に栄誉 空知局5年度教育実践表彰
(道・道教委 2024-04-17付)

長沼町立長沼小・中学校
長沼小・長沼中

 【岩見沢発】空知教育局は、5年度管内教育実践表彰受賞者に表彰状を授与した。学校教育では、小中一貫教育の推進に努めた長沼町立長沼小学校・長沼中学校など4校4個人が受賞。社会教育では、砂川ブラススタイル実行委員会、雨竜町暑寒連山太鼓保存会の2団体が栄誉に輝いた。

◆学校教育

【団体】

▼長沼町立長沼小(高羅正次校長、当時)・長沼中(尾花靖宏校長)=小中一貫教育の推進

 両校は、長年にわたり「長沼を愛し、学び・行動し・協働して未来を切り拓く人」を目指す子ども像として掲げ、相互に連携して小中一貫教育の推進に取り組んでいる。

 特に、全教職員が参加する小中合同研修会の教科指導、分掌業務、生徒指導等の各部会における交流によって教職員間の連携を深めるなど、課題解決に向けた小中共通の取組を推進し、大きな成果を上げている。

 また、義務教育9年間のゴールを見据えた教科指導の充実に向け、教科系統表の作成・検証や、相互乗り入れ授業等に取り組み、小・中統一した連続性のある授業づくりを推進するなど、その実践は高く評価されている。

▼美唄市立美唄中(多田光次郎校長、当時)=地域の教育資源を活用したふるさと教育の推進

 同校は、長年にわたり「ふるさと美唄(空知)を愛する子どもたち」の育成を目指し、美唄市およびその近郊の炭鉱遺産や豊かな自然など地域の教育資源を活用したふるさと教育を推進している。

 特に、日本遺産「炭鉄港」を主題とした学習では、管内市町への訪問によって近隣地域とのつながりを学ぶほか、炭鉄港に縁のある道内外の都市の生徒との交流等を通じて、より広い視野から地域を見つめ直すことによって、ふるさとの課題を発見し地域の発展の可能性を深く探究する活動に結び付けるなど、生徒の郷土愛の醸成に成果を上げている。

 また、地域の教育資源や人材を活用した「ふるさと学習」を地域貢献に結び付けるため、美唄市や市議会の協力のもと「子ども議会」を開催し、市の担当部署にふるさとの課題解決等について生徒自ら提言するなど、その実践は高く評価されている。

▼滝川工業高(馬道淳一校長)=地域に根差した教育活動の推進

 同校は、長年にわたり、工業に関する専門的な知識・技術の習得のほか、生徒の社会的・職業的自立に向けて必要となる資質・能力および持続可能な社会の実現に努める態度の育成を目指し、地域に根差した教育活動に取り組んでいる。

 特に、地元企業から技術指導や材料提供等の協力を得ながら、工業の高度な知識や技術の習得に向けた教育活動に取り組むことによって「高校生ものづくりコンテスト」をはじめ多くの全国大会に出場を果たすなど、大きな成果を上げている。

 また、滝川市との連携によって「滝川市スマート水田実証プロジェクト」に参画し効率的な農作業を実現する「ものづくり」への取組や、「課題研究」における地元警察署や小・中学校等と連携した地域貢献の取組など、地域に根差した実践は高く評価されている。

【個人】

▼下野里紗教諭(岩見沢市立南小)=児童生徒の体力・運動能力向上を目指した授業実践や授業づくりに係る研修の推進

 4年度から、体育専科教員活用事業の推進役を担い、児童生徒の体力・運動能力向上を目指した創意工夫ある授業実践や授業づくりに係る研修の推進などを積極的に展開している。

 特に、近隣の小学校の巡回指導において、体育科の授業づくりに関わる指導助言を的確に行うとともに、授業以外の場で行う学校を挙げた体力向上の取組についても積極的に支援するなど、同校のみならず広く管内児童生徒の体力・運動能力向上並びに各校の授業改善の充実に大きな成果を上げている。

 また、管内の研修講座の講師として体育科授業におけるICTの効果的な活用事例を発信しているほか、初任段階教員を対象とした若手育成セミナーのアドバイザーとして豊富な経験に基づいた研究成果の発信に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼天谷洋祐教諭(滝川高)=生徒が主体となる探究的な学習を実現するための授業改善

 数学科教諭として優れた教科指導力を発揮し、目標に準拠した学習評価の実践に取り組むとともに、生徒が主体となる探究的な学習を実現するための授業改善に尽力している。

 特に、大学と連携した課題研究活動等の探究活動において、全教員による指導体制の構築や評価のためのルーブリックの作成の主導的役割を果たすなど、生徒が主体となって大学と関わっていく活動の推進等に大きく貢献している。

 また、「主体的に学習に取り組む態度」を評価するための指導と評価の計画例や、社会とのつながりを意識した探究的な学習の計画例を作成し、数学科における生徒が主体となった探究的な学習の推進に向けた取組の方向性を示すなど、その実践は高く評価されている。

▼清野道恵養護教諭(岩見沢高等養護)=児童生徒が主体的に健康管理への意欲を高め実践する力の育成

 長年にわたり、児童生徒の心身ともに健やかな学校生活の充実に尽力するとともに、教職員や学校医、保護者等と連携して児童生徒自身が主体的に健康管理への意欲を高め実践する力を育成するなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、障がいのある生徒の健康指導において、個々の特性に応じた指導方法の工夫や、関係機関等と連携した指導を積極的に取り入れるなど、生徒の健康管理能力向上の取組は他の模範となっている。

 また、道教委の健康教育推進リーダーとして、本道における児童生徒の健康課題を踏まえた実践研究に取り組むほか、健康教育推進研究会の講師を務め後進の育成にも尽力するなど、管内はもとより全道の健康教育の充実に大きく貢献している。

▼今樹菜教諭(月形町立月形中)=ダンスを通じたクラブ活動や異校種間連携の充実

 今教諭は、同校赴任以来、保健体育科教諭として体力向上など学校教育における体育指導の充実に尽力するとともに、ダンスを通じてクラブ活動や異校種間連携の充実に取り組むなど創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、ダンスを取り入れた保健体育科の授業改善の取組においては、授業公開やホームページへの掲載等によって自らの実践を外部に発信するとともに、町内小学校や高校との交流学習にも積極的に取り組むなど、保健体育科教育の充実に大きな成果を上げている。

 また、特別支援学級担任として、生徒一人ひとりの個性に応じたきめ細かな指導を行うとともに、北海道特別支援学級教育研究連盟全道大会において特別支援教育の充実に向けた提言を行うなど、その意欲と実践は高く評価されている。

◆社会教育

【団体】

▼砂川ブラススタイル実行委員会=砂川地区音楽文化の振興

 平成24年の発足以来、自らの演奏活動だけではなく、砂川市内の小・中・高等学校への多数の楽器の寄附や、子どもたちがプロの演奏家と共演する場の提供、音楽をより身近に感じることができるイベントの開催など、砂川地区の音楽文化の振興に尽力している。

 特に、市内小・中学校、高校に対する楽器の寄付については、演奏活動で得られた謝礼の全額を充当することによって賄われており、この取組を通じて音楽に触れた子どもたちが新たな音楽文化の担い手として成長するという持続的な活動へと発展している。

 また近年、活動の趣旨に賛同する協賛企業等がさらに増え、各種イベント等への出演依頼も増加しているほか、札幌芸術の森と連携した「砂川キッズジャズスクール」を開催するなど活動のつながりがさらに広がっており、その実践は地域振興の面からも高く評価されている。

▼雨竜町暑寒連山太鼓保存会=伝統文化の次世代への伝承

 昭和56年の設立以来、雨竜町文化連盟に加盟し、町内外の様々な場において日本古来の伝統文化である和太鼓演奏を披露し、演奏技術の向上だけではなく、伝統文化の次世代への伝承に尽力している。

 特に、この数年間の積極的な取組によってその活動が広く認知され、町内外のイベントや社会福祉関係イベント、プロ太鼓演奏者とのコラボ企画への参加など活動の場をさらに拡大し、活動への参加者も人数だけではなく年齢層も大きく広がっている。

 また、活動においては、あいさつや礼儀、異年齢間の交流などを大切にしており、その実践は伝統文化の伝承はもとより地域振興や青少年健全育成の面からも高く評価されている。

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美唄市立美唄中学校
美唄中
北海道滝川工業高等学校
滝川工業高
岩見沢市立南小学校下野教諭
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月形中・今教諭
砂川ブラススタイル実行委員会
砂川ブラススタイル実行委員会
4I、雨竜町暑寒連山太鼓保存会
雨竜町暑寒連山太鼓保存会

(道・道教委 2024-04-17付)

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