道教委　近代美術館検討会議　将来見据えた整備を　移転新築など３案比較

（道・道教委 2024-05-22付）

　道教委は１５日、第１２回これからの道立近代美術館検討会議を札幌市内の道立近代美術館およびウェブ会議システム併用で実施した。近代美術館リニューアル基本構想の策定に向けて、道教委が過日まとめた改修・収蔵庫増築、現地新築、移転新築の３案に係る比較検討の結果を提示。構成員からは、環境性や経済性などの観点で、将来を見据えた整備手法の検討について意見が寄せられた。

　道教委は、８日の道議会常任委員会で知事公館・近代美術館エリアの検討状況を報告。ことし中を目指す近代美術館リニューアル基本構想の策定に当たって技術的検討調査の結果を示した。

　区分は、Ａ案「改修＋収蔵庫増築」、Ｂ案「現地新築」、Ｃ案「移転新築」の３パターン。建物の工事に要するイニシャルコストと５０年間分の維持費および大規模改修費を合わせたランニングコストの合計は、それぞれ３３５～３９０億円、４５０～５２０億円、４３５～５０５億円と見込んでいる。

　検討会議では、道教委担当者が技術的検討調査のほか、知事公館・近代美術館エリアに関する道民等からの意見聴取の結果を報告。構成員からは「３０年、５０年先の緑をどのように回復していくかという造園の視点も必要」との指摘や、「コストパフォーマンスの観点はもちろん大事だが、初会議の際に発言のあった“ワクワクするような美術館”に焦点を当ててアプローチしてみては」「３案のハイブリッドで、改修して足りないスペックを補うなどの考え方もあるのでは」などの意見が上がった。

(道・道教委 2024-05-22付)