教員向け空調人材育成セミナー　エアコンも身近な教材　旭工高　企業連携し初開催

（学校 2024-05-27付）

教員向け空調人材育成セミナー

　【旭川発】旭川工業高校（中島泰彰校長）は１５日、ダイキン工業㈱（大阪）と連携した教員向け空調人材育成セミナーを初開催した。同校の教職員３人がエアコンの据え付け作業など、空調設備に関する様々な業務を体験。参加者から「作業手順や内部設備等の理解が深まった」「エアコンも身近な教材と感じた」などの感想の声が上がった。

　本道において、猛暑日の増加等の影響によって、今後、エアコンの需要が高まることが見込まれ、空調設備分野を支える技術者の確保が課題となっている。

　こうした中、同校では、空調専業メーカー・ダイキン工業と連携のもと、エアコンを教材とした実践的・体験的な学習活動に取り組むことを通じて、工業教育の充実を図るとともに、将来の担い手となる技術者を育成することを目的に同セミナーを開催した。

　当日は、主幹教諭や電子機械科長ら同校の教職員３人が参加。講師は、ダイキンＨＶＡＣソリューション北海道（株）技術部工事グループの神田利幸担当課長、ダイキン工業研修部つくば研修所の岩本光平さんの２人が務めた。

　はじめに、エアコン据付講習を実施。空調が冷える仕組みや冷凍サイクル、据え付け場所の選定など、空調に関する基礎知識を学んだ。

　引き続き、空調設備用工具の説明を受けた上で、冷媒配管工事や配管の加工、壁の穴開け、室内機の取り付け、室外機への配管接続などの取り付け工事のほか、電線接続、運転試験、トラブル対応など、様々な専門的な作業を体験した。

　その後、道教委高校教育課の指導主事を交えて、学校関係者とダイキン工業との意見交換会を実施。学校側からは「実際にエアコンの据え付け作業を体験できたことで、作業手順や設備内部の理解がより深まった」「これまでストーブを教材として活用していたが、エアコンも身近な教材と感じた」などの声が聞かれた。

　ダイキン工業側は「エアコンの据え付けが目的ではなく、高校生にエアコン設備に触れてもらい、就職も含めて様々なことを感じてもらうことが当方のねらい」などと話した。

　同社では、今後、旭川工業高におけるエアコン据え付け実習の実現に向けて、教材の提供などの視点から社内で検討を行うこととしている。

(学校 2024-05-27付)