十勝局　第１回ＥＢＥ協議会　検証改善サイクル充実を　自校の方向性を明確化

（道・道教委 2024-05-29付）

　【帯広発】十勝教育局は２３日、道教委の「エビデンスに基づく資質・能力育成事業」のもと、第１回ＥＢＥ協議会を開いた。科学的根拠に基づいた教育活動の必要性や、学力および学習習慣の管内状況等を説明。管内各校種の管理職１５４人がオンラインを通して参加し、実践発表や協議等を通して自校の方向性を明確化した。

　ＥＢＥ協議会は、小中高１２年間を一体的に捉えた児童生徒の学力や学習状況等の分析結果を踏まえ、組織的な授業改善や学力向上等に向けた校内体制の整備、具体的な授業改善の方法などに関する説明や協議によって、児童生徒に必要な資質・能力の育成に資することを目的としている。

　この日、鈴木毅教育支援課長が道内および管内における取組の方向性などを説明した。

　道内状況に関しては、全国学力・学習状況調査を踏まえ、検証改善サイクルの確立や小中連携などの成果と課題を共有。授業改善や望ましい学習習慣の確立における「小中高１２年間を見据えた取組の充実」を方向性として示し、検証改善サイクルを機能させた取組の改善・充実、授業や家庭学習でのＩＣＴ活用、１２年間を見据えた系統的な取組をポイントとした。

　管内においては「児童生徒自ら問題を解決し、資質・能力を身に付けることができる授業改善や、適切な実態把握を取組に生かす検証改善サイクルの充実が必要」と示唆。教育振興基本計画から「個人のウェルビーイングを支える要素として学力や学習環境、家庭環境、地域とのつながりなど」があることを確認し、ウェルビーイングに関連する主観的指標に係る管内状況を示した。

　管内全体で推進する授業改善や学力向上等の取組として①検証改善サイクルの実質化・迅速化②ＩＣＴを効果的に活用した授業改善の推進③家庭学習の充実―の３点を提示した。

　うち検証改善サイクルは、教育課程の実施状況や学力向上の取組を評価して改善を図るサイクルを、短期に複数回循環させる必要性を強調。ほっかいどうチャレンジテストを活用することで、年３回提供される調査結果概況を指標とし、正答数の少ない層に着目した分析や検証を推進できることを説いた。

　このあと、足寄町立足寄小学校の大宮秀夫校長、音更町立音更中学校の野村勉校長、広尾高校の柴山真純校長が自校の実践を発表。協議では、組織的な授業改善や学力向上等に向けた校内体制および校種間連携の取組に係る課題や今後の方向性を明確にするために話し合いを深めた。

(道・道教委 2024-05-29付)