札幌市中央図書館　将来の在り方　地区図書館　拠点性向上へ　小・中支援、憩いの場創出

（札幌市 2024-05-30付）

　札幌市中央図書館は、市の図書館の「将来の在り方」に関する５年度調査研究結果をまとめた。５年度は、各区に設置している地区図書館に焦点を当てた。区内の小・中学校の支援、カフェといった憩いの場の創出など「拠点性」を高める取組が提案された。

　４年度に策定した「さっぽろ読書・図書館プラン２０２２」で「持続可能な図書館サービスを見据えた図書館運営」の手法について検討することを掲げており、調査研究はその一環。

　２年目となる５年度は、４年度調査研究の成果を土台に地区図書館に焦点を当て、他都市事例や市内の現況調査などを行った。

　４年度調査研究で示された市の図書館の将来像①将来にわたり人の学びを支える②暮らしと仕事に役立つ③地域を良くする④もう一つの居場所になる―の４点に基づき、地区図書館の取組について提案を受けた。

　①では、区内の小・中学校を支援し、子どもの読書活動や調べ学習に関わること、シニア世代への情報リテラシー教育の実施などが示された。

　②では、区役所各課や各センター、病院や大学との連携、区の産業活性化に役立つ資料の充実など、地域住民の情報拠点・相談窓口となる取組が示された。

　③では、図書資料・情報を生かした市民・団体活動支援や場の提供、団体間の交流・発表機会の創出などが挙げられた。

　④では、カフェなど憩いと交流の場の創出、地区の魅力発信、芸術や文化に関わる魅力ある資料の展示など、居心地の良い場所づくりが求められた。

　地区図書館の再整備に当たり、駅付近など交通の便が良いこと、市民の需要に応える蔵書整備、新しい図書館サービスを展開できる施設などを重視している。

(札幌市 2024-05-30付)