事務の平準化、職能向上へ鶴居村教委 共同学校事務室を設置 月2~3回参集 閉校業務も
(市町村 2024-06-13付)

鶴居村共同学校事務室
5回目の参集日。2校の閉校に伴う文書や物品等の取り扱い方についても意見を交わした

 【釧路発】鶴居村教委は本年度、村内全5校の小・中学校を対象とする共同学校事務室を設置し運営を開始した。事務の平準化・適正化、職能向上等が目的。事務職員5人で構成し、月に2、3回参集し、様々な業務の共同処理に当たっている。5校中、幌呂小学校と幌呂中学校の2校は来年3月閉校に。5人はチーム力を生かしながら円滑な閉校に向けた業務も並行して進めている。

 村には鶴居小学校、幌呂小、下幌呂小学校の小学校3校と、鶴居中学校、幌呂中の中学校2校がある。児童生徒数は鶴居小77人、幌呂小9人、下幌呂小27人、鶴居中50人、幌呂中6人で、幌呂小と幌呂中の2校は6年度で閉校となる。

 村教委は3年度に定例事務職員会議を設置し、共同学校事務室の導入に向けた取組を開始した。給食会計を公会計した上で無償化し、事務職員の業務量の軽減に努める一方、事務職員の標準的な職務を明確化し、各校事務職員の担当業務のばらつきを解消。村に適した共同学校事務室の制度設計を進めてきた。

 共同学校事務室の職員は5人。鶴居小、幌呂小、下幌呂小に各1人、鶴居中に2人配置し、幌呂中には配置していない。共同学校事務室は幌呂中に置き、5人は定期的に幌呂中に参集し、共同事務業務に当たっている。

 共同学校事務室は7年度以降、鶴居中に設置する予定だ。

 7日は本年度5回目の参集日。5人は幌呂中で閉校事務等について協議した。

 閉校事務は共同学校事務室初年度の重点事項。仁木健之室長を中心に、閉校となる2校の備品リストの作成や文書の引き継ぎなどについて意見を交わし、他校への備品の照会方法、他校からの問い合わせへの対応策など、今後も、引き続き円滑な業務遂行に向けて知恵を絞っていくことを確認した。

 閉校を控える幌呂中の秋山豊校長は「当校には事務職員が配置されていない。共同学校事務室があってとても助かっている」と、教務を支える事務職員5人の重要性を話す。

 村教委の村上明寛教育長は共同学校事務室について「何よりも仲間と一緒に仕事をする醍醐味を感じてほしい」と大きな期待を寄せる。若手事務職員にとっては小規模校ではできない経験を積むことができるからだ。また「道内に先進事例が少なく手探り感は否めないが、チームとして自走できるよう成長させ、学校事務の領域だけではなく学校全体の業務改善につなげたい」と、今後を展望する。

 共同学校事務室は、備品等の利用に当たり各校の使用時期の調整を行うなど、効率的で効果的な業務処理の仕方を協働で学んでいく場となる。

 村上教育長は、給与・旅費事務の効率化や備品の共同購入、共同利用、一括管理に加え、クラウドの効果的な活用への挑戦を期待。さらに自主的な研修やOJTなどの職能向上への取組も期待する。

(市町村 2024-06-13付)

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