網走市教委 学校力向上地域協議会 ウェルビーイング実現へ ICTや共同事務室など協議(市町村 2024-05-21付)
網走市教委第1回地域協議会
【網走発】網走市教委は14日、網走小学校(畠山治夫校長)で学校力向上に関する総合実践事業6年度第1回地域協議会を開催した。岩永雅浩教育長をはじめ、市教委の職員、中核校の網走小、各指定校の校長、教頭、主幹教諭、教諭、事務職員ら約30人が出席。講話やグループ協議を通して、本年度の課題や方向性を確認した。
道教委の学校力向上に関する総合実践事業は、3年度から地域移行し、本年度が最終年度となる。市では前年度同様、中核校の網走小、指定校の南小学校、第一中学校、第三中学校の4校で授業等の改善に向けた協議を進めている。
はじめに、畠山校長が本年度の構想として「ICT教育の充実」「北海道アクション・プラン第3期を踏まえた働き方改革」の二つを柱として重点的に、計4回の協議会を進めていくことを説明。「今後の課題が明確になり、改善に向けた方向性が確認できれば」とあいさつした。
つぎに、網走小研修部の鈴木大輔教諭が授業改善の取組を説明。6年度の重点教育目標を「ウェルビーイングの実現を目指す教育の推進」、研修テーマを「ウェルビーイングの実現を目指す資質・能力の育成」とし、単元や本時で子どもたちが身に付ける力・子どもたちにどのような姿になってほしいのかなど、ねらいについて発表した。
また、畠山校長が本年度の事業概要について説明。前年度からの変更点・追加点を踏まえた実施計画に基づき、各到達目標を目指すこととした。
グループ別の全学級授業参観のあと、網走小の吉﨑紘一郎主幹教諭が「ICTを活用した校務効率化の取組について」をテーマに実践発表。主にグーグルの機能を活用して、あらゆる作業を効率化した実践例や活用方法などを紹介した。また「日常業務で使ったことを授業づくりでも活用していくことができるのではないか」と考えを述べた。
このあと、グループに分かれて協議。中学校区グループは「ICTを活用した校務効率と小中連携の現状および課題と今後の取組」、事務職員グループは「学校共同事務室設置に係る今後の取組」について話し合った。
中学校区のグループでは吉﨑主幹教諭の実践発表を参考に、合同のチャットスペースなどを早速作成した。今後の情報共有に活用する方針。また、別のグループでは記述式問題の無解答が課題の一つとし、南小で取り組んでいる朝の時間を利用した活動を参考に、本年度から朝の学活において短作文に取り組む考えを示した。
事務職員グループからは、共同学校事務室についての事前アンケートの結果を踏まえ「ICT化などを進めていきながら働き方改革・ウェルビーイングを達成していきたいと思う」などの意見が上がった。
最後に、オホーツク教育局の佐藤大義務教育指導監は、網走小の働き方改革に関して「ペーパーレス化・情報の即時共有など既に効率化されている」「発信して横に広げていただきたい」と話した。また、共同学校事務室を設置できたことに関して市教委や学校を称賛し「学校間のつながりを強く持ってもらい、より高いものを目指していただきたい」と助言した。
網走市教委の大垣正紀次長は、吉﨑主幹教諭ら4人が東京国際展示場で開催したEDIX東京で発表した、今回の網走市の実践に対して高く評価し「市に既存しているICTなど、発信し共有できたら学校力向上の一つのきっかけとなる」との考えを示した。また、共同学校事務室について「実りあるものにするために、行政として意見交流しながらできることを実現していきたい」と意気込みを述べた。
次回は7月18日に網走第三中で開催する予定となっている。
(市町村 2024-05-21付)
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