伊達市 6年度教育行政執行方針 教育DXで働き方改革 長期休業期間拡大や冷房設置(市町村 2024-05-01付)
【室蘭発】伊達市教委の影山吉則教育長は、6年度教育行政執行方針で「教育DX」による学校の教育活動や校務等のデジタル化を図ることにより、教職員の働き方改革はもとより、児童生徒がデジタル社会を生き抜く力を育んでいく考えを示した。また、近年の夏季期間の猛暑への対策として「市立学校管理規則」の改正による学校の長期休業期間の拡大、市立学校の普通教室等へのエアコン設置をはじめ、夏季期間中の教育活動等の在り方を見直すことにしている。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼今後の教育行政に臨む基本姿勢について
教育を取り巻く現状と課題を踏まえ、本市の教育理念「自立・協働・創造」の目指すべき方向性にある「自立」は「夢を志を高め、たくましくしなやかに、生涯を通じて挑戦し続ける人の育成」、「協働」は「共に学び育ち合う絆を強くし、地域が人を育み、人が地域を創る社会の実現」、「創造」は「郷土の歴史と文化を継承・発展させ、新しい価値観を創出する人の育成」とした意義を再確認し、教育活動のさらなる充実・発展を図らなければならないと考えている。
学校教育では「社会を生き抜く力を育む教育の推進」として、持続可能な社会の創り手を育成するESDが、持続可能な開発目標であるSDGsを達成するために不可欠である質の高い教育の実現に貢献するということを念頭に置いた教育活動を目指さなければならない。
その前提として「教育DX」による学校の教育活動や校務等のデジタル化を図ることにより、教職員の働き方改革はもとより、児童生徒がデジタル社会を生き抜く力を育んでいく。
併せて「豊かな心を育む教育の推進」として、多様性を尊重する心を育む教育活動を推進するとともに、体力向上、食育および健康教育を目的とした「健やかな体を育む教育の推進」を図っていく。
また「地域とともにある学校づくりの推進」として、「だて学」を通して、市立学校と道立学校の連携を強化するとともに、伊達開来高校の特色化・魅力化や伊達高等養護学校の地域連携活動への市の支援による教育活動等の成果を市立学校へ波及させるなどして、市立学校の教育活動等の充実・発展を図っていく。
さらに、学校運営協議会において地域住民や保護者が主体的に学校運営に参画し、学校と地域が一体となって子どもたちを育む地域総がかりの教育の推進により、子どもたちの地域貢献や社会参画意識の醸成を図り、学校と地域の活性化を目指していく。
「信頼される教育環境の整備」としては、学校は児童生徒の生命と身体を守り、豊かな学びを保障するために、安全・安心な場でなければならない。
とりわけ、近年の夏季期間の猛暑への対策として「市立学校管理規則」の改正による学校の長期休業期間の拡大、市立学校の普通教室等へのエアコン設置をはじめ、夏季期間中の教育活動等の在り方を見直すとともに、平時から児童生徒の健康管理の徹底を図る校内体制の構築を図る。また、スクールガード・リーダーや地域住民の見守り活動団体と連携し、子どもの安全確保に努めていく。
社会教育では「ふるさと意識を育て地域づくりに参画する青少年教育の推進」として、つぎの時代を担う青少年が様々な体験や幅広い世代との交流を通じて創造性や協調性等を身に付け、夢や目標を持って健やかに成長できるよう、市民団体と協力し青少年教育事業の充実を図るとともに、伊達の魅力をあらためて感じ、愛着や誇りを持つよう「だて学」に積極的に取り組み、青少年の新たな価値を生み出す資質・能力を育んでいく。
また「共に支え合う地域づくりを目指す社会教育の推進」として、市民カレッジや市民講座、長生大学等において「オトナのだて学」と冠した講座等の充実に取り組んでいく。「放課後児童クラブ」については、学校と連携を図りながら、児童や保護者にとってより良い放課後等の居場所、学習や交流の場となるよう事業の充実・改善を進めていく。
図書館については「図書館整備基本構想」に基づき、幼児から高齢者までの様々な世代に応じた読書活動の推進はもとより、多様な人々との出会いや交流の場となるよう、新図書館の整備事業を進めていく。また「市立図書館運営基本方針」に基づき、図書館運営協力会やボランティア団体等と連携し、現図書館の運営の充実・改善に努めていく。
歴史・文化芸術については「特色ある地域文化の推進」として、芸術鑑賞事業や文化芸術活動への支援等を通じて、地域の特性を生かした多様な文化芸術の充実・発展に努めていく。
また「歴史文化を生かしたまちづくりの推進」として、世界文化遺産である「史跡北黄金貝塚」については、引き続き、文化遺産としての価値の周知だけではなく、教育資産としての活用推進のために「だて学」を通して学校教育と連携し、児童生徒への理解促進を図るなどの取組を行うほか、洞爺湖町の「入江・高砂貝塚」とも連携し世界遺産の魅力を発信する「ルート37の世界遺産JOMON」の取組を推進していく。
(市町村 2024-05-01付)
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