足寄町6年度教育行政執行方針 効果的なICT活用へ 人材育成 研修履歴を活用
(市町村 2024-04-26付)

足寄町東海林弘哉
東海林弘哉教育長

 【帯広発】足寄町教委の東海林弘哉教育長は6年度教育行政執行方針において、1人1台端末を効果的に指導計画に位置付けるほか、複式教育や長期欠席児童生徒への支援等、多様なICT活用を図ることを示した。教職員の人材育成に関しては、引き続き、道教委の研修履歴を活用した新たな研修制度との融合を図り、未来創造型のアプローチを展開する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の推進

 「子どもたち一人一人の可能性を引き出す教育の推進」について、持続可能な開発目標・SDGsや持続可能な開発のための教育・ESDの理念にのっとった問題解決的な学習や探究的な学習活動を重視し、新しい時代に必要となる資質・能力を育成する。

 「学びの機会を保障し質を高める環境の確立」について、いじめ、不登校への対応や関係機関と連携した児童生徒への支援、ICTの活用による多様な教育機会の確保、安全教育についても、組織的に行う。教職員の心理的安全性を確保するためにも、自律型マネジメントを展開し、働き方改革や人材育成、不祥事防止といった喫緊の課題にしっかり向き合う。また、広域にわたる町内の学校をしっかりつなぎ、小・中・高の幅広い連携も強化する。

 具体的な方策として「確かな学力」では、町内小・中学校における教育課程の連携・充実、少人数指導や習熟度別学習、ICTを活用した様々な学習機会の確保、家庭への啓発活動等に取り組む。各種調査の分析結果の活用や「主体的・対話的で深い学び」を実現する「個別最適な学び」と「協働的な学び」を核とした「学力向上推進プラン」の明示、十勝教育局の学校指導訪問や教育推進幹の具体的な指導・支援により、確実に授業改善を図る。効果的な教育活動の展開についても、小・中・高で連携・協働し、体制や方法を工夫する。

 「豊かな心」では、教育相談の機能、組織的・計画的な道徳教育や道徳科の充実、SNS等の情報モラル教育の徹底、読書活動の推進に取り組む。特に、読書については、豊かな人生の基礎となる感性を育む読書活動を充実させるため、移動図書や巡回配本、図書館司書の学校訪問相談等、町図書館と学校の連携を図る。

 「いじめ問題」については、町いじめ防止基本方針に基づき、まずは積極的に認知し重大事態を引き起こさないよう、また早期に対応できるよう指導する。コロナ禍後、増加傾向にある不登校の対応については、学校・保護者・関係機関の連携強化を図り、個別最適な改善を目指す。ヤングケアラーについても、関係機関と連携して把握と支援の検討に努める。

 「健やかな体」では「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」等の結果を踏まえた体力づくり策の持続化や保健指導、栄養教諭と連携した食育の充実を図る。学校給食の運営に当たっては、衛生・安全管理を徹底するとともに、地場産食材の積極的な活用による「ふるさと給食」等を継続し、安全・安心で楽しい給食の提供に努める。

 そのほか、ふるさと教育や国際理解教育、キャリア教育、防災・交通安全教育を推進するために、あらゆる人材を活用するとともに、関係機関・団体等との連携・調整を図る。

 ICTによる教育では「使うこと」から「より効果的な活用」という第2段階の取組が求められている。本町としても、1人1台端末を効果的に指導計画に位置付け充実を図る。また、きめ細かな複式教育や長期欠席児童生徒への支援等、多様なICT活用についても工夫する。

 特別支援教育では、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育を実施するため、社会的自立や合理的配慮を踏まえた個別の教育支援計画に基づいた教育活動や、あしょろ子どもセンターとの連携強化等、支援体制の充実に努める。

 教職員の人材育成については、「人づくりの町」構想に沿って、道教委の研修履歴を活用した新たな研修制度との融合を図り、意義や志といったパーパス起点によって十勝で活躍できる人的資源の育成を目指していく。そのためにも、教職員の働き方改革を確実に推進し、未来創造型のアプローチを展開する。

 コミュニティ・スクールについては、地域学校協働活動はもちろん、PTA連合会等との一体的な取組を強化し、地域の諸課題を主体的・協働的に解決していけるよう多様で包括的な組織としての基盤づくりを行う。

▼生涯学習の推進

 体育・スポーツの振興については、中学校部活動の地域移行の取組を契機として、指導者の育成や指導体制の整備を図る。さらに、十勝東北部3町で連携した総合型地域スポーツクラブの育成等を検討する。

▼足寄高校教育振興の推進

 足寄高校振興会等関係団体と連携・協議し、海外研修派遣事業等これまでの振興策を継続するとともに、さらに広く周知し効果を高められるよう努める。

 コーディネーターを配置し、小・中・高の連携・協働をはじめ、主体的に課題に向き合う力を身に付けさせる「探究活動」への支援も行い、高校教育の質の向上に貢献していく。

(市町村 2024-04-26付)

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