5年度地学協働活動で外部人材活用 小・中学校で465件 音更町教委 8割でリスト活用
(市町村 2024-04-23付)

 【帯広発】音更町教委が地域学校協働活動の推進を本格化した5年度、町内小・中学校における外部人材の活用が465件に上った。うち町教委が作成した外部講師リストを活用したケースは約8割。福地隆教育長は、地域と学校がつながる好循環に触れ「現代の教育の在り方など、地域と共通理解を図りながら内容の充実を図っていきたい」と話している。

 町教委は4年度、地域学校協働活動の充実に向けて生涯学習部内に地学連携担当課を新設。同課では町内小・中学校の教育活動に協力が可能な地域人材や活動内容を集約し、リストの内容を順次改善・充実させながら各校に配布している。

 中学校2年生対象の職場体験学習においては、管内企業等に向けて実施日程や受け入れが可能な人数等を調査し、協力者を募った。受け入れ先との交渉や日程調整等の教職員の負担軽減とともに、子どもたちが体験する業種の幅を広げている。

 外部講師リストには、公的機関や企業、個人等の98者が登録。自然科学や食農、環境、金融経済など、多種多様な分野において出前授業や現場見学等を可能としている。

 地域学校協働活動の推進を本格化した5年度、地域人材が教育活動に参画した回数は465件に達した。中でも伝統文化や芸術に関する授業は128件に上り、小学校は全校が実施。不審者対応や情報セキュリティ講習を含む防災・危機対策の分野は、全小・中学校で41件行われた。

 また、模擬選挙による主権者教育、消費者教育教室による経済的教育を中心とした「シチズンシップ教育」は、外部講師の協力を得て4年度から試行し、5年度は全小・中学校で実施。同じく社会参画分野として、議会傍聴や人権擁護教室、租税教室なども行われた。

 外部講師リストの活用は、実施総回数465件のうち77・6%に当たる361件となり、積極的な活用が図られている。うち133件は、町教委が学校の要望を受けて講師との橋渡しを担った。教職員自らリストをもとに連絡・調整を図ったケースは118件となった。

 福地教育長は「地域の協力を得て、学校のニーズに応える提案を行うことができた」「子どもたちの様子や働き方改革の面からも、教職員自身が外部人材を活用する成果を感じられたのでは」と、地学協働による好循環を実感。各学校では子どもを主体とした授業改善が進む中、今後は出前講座等においてもアクティブ・ラーニングを取り入れる見通し。「現代の教育の在り方など、地域と共通理解を図りながら内容の充実を図っていきたい」と話している。

(市町村 2024-04-23付)

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