学習者主体の環境へ 東小と網走小 端末活用の効果(道・道教委 2024-06-19付)
網走市学力向上推進委員会全体会【発表】
網走市学力向上推進委員会の本年度第1回全体会では、東小学校の谷口寛人教諭と網走小学校の吉﨑紘一郎主幹教諭が「子ども・教職員・保護者でつくる新しい学校に向けた網走市の挑戦」をテーマに実践発表した=写真=。両校の実践を通し「端末の力も活用することで、子どもの可能性を広げ、社会を生き抜く力を育める学習者主体の学習環境に変わった」ことなどを報告した。
両教諭は、1人1台端末導入によって、学校が変わったとし、具体的に①子どもたちの学習環境②教職員の取組③家庭との連携―について報告した。
◇
【子どもたちの学習環境】
「ICTを用いなくても、その授業で目指すことを子どもたちに指導できれば良い」との指導者の視点のみによるICTの有無がGIGAスクール構想で変化したことを説明。
校長のリーダーシップや共通理解のもと、ICT活用が目的ではないことを踏まえつつ「使わないことが最大の失敗」とならないよう、全員で大切にしてきたこととして―
▽ICT活用の賛否を語るのではなく、これからの時代を生きる子どもたちのために「何ができる」を語る
▽「子どもの可能性を引き出すため」に「できない理由」よりも「できることを考える」、教師がブレーキをかけすぎない
―ことを挙げた。
また、今も大切にしていることとして―
▽ICT活用スキルを含む情報活用能力を身に付けるために、ICTを使って学ぶ機会を保障していかなければならない
▽指導者の視点のみで考え、子どもに不利益があってはならない
―とした。
また、クロームブック活用による授業の変化について「これまでやりたかったこと、やるにも限界があったことが大幅に改善され、できるようになった」と説明。
例えば、これまでは、子どもたちの考えをみんなで共有するため、教員が発言を促し、それらを時間をかけて板書して全体共有を図ったり、全員の考えを取り上げきれなかったりしていた。
しかし、1人1台端末導入と様々なアプリの活用によって、板書時間が短縮され、子どもたちの学びに目を向けられるようになったほか、思考を可視化することで対話が生まれるなど、具体的な授業の変化を紹介した。
その上で「端末の力も活用することで、子どもの可能性を広げ、社会を生き抜く力を育める学習者主体の学習環境に変わった」ことを報告した。
◆業務観を転換 授業観も変化
【教職員の取組】
ほぼ全ての校務を様々なアプリの活用で行えるようになったことを説明。教員が本来業務に専念するための時間を生み出す効果を紹介した。
その上で「端末の力も活用することで、日常の業務を、効率化とICT指導力向上の機会に変える」というように、業務観の転換が授業観の転換につながったことを報告した。
【家庭との連携】
欠席連絡をアプリによる回答フォームで行うことによって、確実に余裕を持って行い、保護者も教職員も時間を有効に使え、ストレス減少にもつながったなどの事例を紹介。
「端末の力も活用することで、保護者と教職員の時間と心のゆとりが生まれ、より良いつながりと質の高い取組に変化していく」ことを報告した。
これらの報告を行った上で、アプリを活用して学校DXを推進し、網走市の子どもたちと教職員、保護者のウェルビーイングを実現していくなどとまとめた。
(道・道教委 2024-06-19付)
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