高校生ステップアップＰＧ　１８校で心の健康観察　ＳＯＳ早期発見へアプリ導入　道教委

（道・道教委 2024-06-18付）

　道教委は高校生ステップアップ・プログラムの６年度実施校として、札幌厚別高校など新規３校を含む１８校を決定した。実施校では民間のアプリを使った「心の健康観察」を開始。生徒の心や体調の変化を把握することで、心のＳＯＳの早期発見につなげていく。

　同プログラムは、道立高校におけるいじめ・不登校、中途退学の未然防止、自殺予防に向けた取組を行う文部科学省の委託事業。予防的・開発的な視点に基づく人間関係の形成、コミュニケーション能力の育成、自殺予防教育プログラムを活用した取組を実践し、全道の高校に成果を普及させる。

　実施期間は１年間。各校では集団カウンセリングや自殺予防教育プログラムの実施、子ども理解支援ツール「ほっと」を活用した評価などを行う。

　本年度から開始する心の健康観察は、ＩＣＴツールを活用して児童生徒のメンタルヘルスの悪化、援助要請、学級の変容などを察知することで、問題が表面化する前からの積極的な支援につなげるもの。

　民間事業者による有償アプリには、日々の気分や体調の確認、相談・アンケート機能のほか、データをもとに支援の必要性を示す機能、保護者から見た子どもの変容を共有する機能など様々なものがある。

　文科省が実施したアンケートによると、先行して導入する自治体からは「相談件数やいじめの認知件数の増加」「悩みの早期発見」「学校全体で児童生徒を見守る意識の向上」などの成果が報告された。

　一方、データの確認やアプリに習熟する時間も必要であり、時間・人員を確保する必要性も指摘されている。

　道教委は今後、実施校の教職員やスクールカウンセラーが参加する運営協議会のほか、教員を対象とする集団カウンセリング研修会を開催し、プログラムの円滑な実施を図っていく考え。

　６年度実施校はつぎのとおり。

▼空知

▽夕張▽長沼▽栗山

▼石狩

▽札幌厚別（新規）▽札幌北定時制▽江別▽有朋定時制▽札幌白陵

▼後志

▽蘭越（新規）

▼胆振

▽白老東▽追分▽鵡川

▼渡島

▽松前▽南茅部

▼宗谷

▽礼文

▼オホーツク

▽雄武

▼十勝

▽音更

▽帯広柏葉定時制（新規）

(道・道教委 2024-06-18付)