体力向上オンラインセッション 授業改善へ実践共有 ICT活用、家庭等と連携 後志局
(道・道教委 2024-06-20付)

 【小樽発】後志教育局は18日、体力向上オンラインセッションを開いた。体育エキスパート教員や体育専科教員、中学校体育授業実践スペシャリストが各校の実践を紹介。授業改善に向けた具体的な取組や効果的な声かけ、ICTの活用方法、家庭やPTAと連携した体力向上の事例などを共有し、実践力の向上を図った。

 後志局が様々なニーズに応じた研修の機会を提供する独自事業「ShiriBeshi Learning Boxプロジェクト」の一環。体育エキスパート教員や体育専科教員、中学校体育授業実践スペシャリストを講師に、小・中学校における授業づくりの実践力向上、教員同士のネットワーク構築を目指した。

 はじめに、小樽市立桂岡小学校の山下真慶教諭が同校の実践を紹介した。授業づくりにおいては、体育の授業の流れを全教員が共有できるよう工夫。見通しや振り返りの時間の確保、本時の運動を意識した準備運動、新体力テストの結果を個人記録表に経年で示すことで、自己目標を立てられるよう改善するなどに努めたことを解説した。

 ICTの活用に関わっては、例えば高学年の短距離走において、授業前に動画を視聴しておくよう呼びかけ。児童たちが事前に走るポイントを理解して授業に臨むことで、運動時間をより長く確保できることなどのメリットを示した。

 このほか、体育館や校庭の遊具、児童玄関前に仕掛けを施すなど、児童たちが外遊びをしたくなるような遊びを用意。授業以外での運動機会確保に努めていることを紹介した。

 また、家庭・PTAとの連携を重視。家でもできる運動をショートムービーで紹介したり、PTAと連携した放課後のグラウンド遊びの日を設定したりするなど、「PTAや保護者を巻き込んで、体力向上に資する取組を進めていきたい」と説いた。

 小樽市立望洋台中学校の橋本卓也教諭は「より良い授業を目指して」をテーマに講話。良い授業を「運動が苦手な子が頑張れる、楽しくなる授業」と定義し、①学習の勢い②学習の雰囲気―の大切さを訴えた。

 学習の勢いでは、授業のマネジメントと規律の重要性を強調。課題提示や導入、展開時における端的で明確な指示、用具の準備、場づくりにおける効率的な学習環境整備などのテンポを意識するよう説いた。

 学習の雰囲気については、コーチングの概念を意識。生徒たちのプレーを観察し、生徒の意図や考え、トライを大切にした声かけに努めるよう呼びかけた。特に、プレーを止めずに生徒の活動に合わせて声をかける「シンクロコーチング」を推奨。生徒に考えるためのポイントを与えることで、生徒自身の行動の変容を促すことの大切さを訴えた。

 ICTの活用例を紹介。バスケットボールのプレーを上から俯瞰するよう撮影し、プレー後に生徒に見せることで、スペースや仲間、相手の位置などが把握しやすくなることを説明した。

 岩内町立岩内西小学校の千葉康夫教諭が総括したあと、小・中学校別にブレイクアウトルームで意見交換。参加者は、体力向上のための遊び、合同体育の取り組み方、教材や用具の確保、準備運動時に流す音楽などをテーマに、日頃の悩みをぶつけ合った。

 後志局では今後、年度内に第2回セッションの開催を予定している。

(道・道教委 2024-06-20付)

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