ルール守りＳＮＳ利用　札幌太平中　人権教室

（札幌市 2024-06-20付）

　札幌市立太平中学校（窪田進二校長）は１７日、同校で人権教室を開いた。札幌人権擁護委員協議会こども人権委員長の日下部憲一さんが、情報モラルについて講話。ルールやマナーを守ってインターネットやＳＮＳを利用するよう呼びかけた。

　本年度の人権教室は「ワークショップを通して相互理解や寛容の心を育む」「いじめを考え、議論することで確かな人権意識を育む」「ネットトラブルを防ぐための情報モラルを育む」「差別・偏見をなくし豊かな人権意識を育む」の四つの観点で１６の学習メニューを用意。

　特に、喫緊の課題であるいじめ問題や情報モラルに関する教材を充実させている。

　太平中では「情報モラルを身に付けよう」と題し、道徳の一環として実施。１年生約１５０人が参加した。

　日下部さんはインターネットやＳＮＳについて、生活を便利にするツールである一方「使い方を間違えると人を傷つける凶器になる」と警鐘を鳴らした。

　旭川市のいじめ事案などを例に、ネットいじめが顕著になっていることを紹介。人権のキーワード「安心・安全・幸せ」が保障されない人権侵害行為であると強調した。

　つぎに、ＤＶＤ教材「ＳＮＳに潜む危険～書き込む内容・載せる動画」を上映。終了後、教材の中で①ネット上のコミュニケーション②画像・動画の投稿③ＳＮＳがきっかけの犯罪被害―の三つのネットトラブル事例があったことを振り返った。

　①については「自分の思っていることが相手に全て伝わるとは限らない」と前置きした上で、相手への思いやりや感謝など、礼儀を持って接するよう呼びかけた。

　②では、ほかの人の写真を無断で投稿しない、個人情報を載せない、不適切な行為ではないか投稿前に確認するなど、ルールやマナーを守って利用するよう求めた。

　③では、知らない相手と個人的なやりとりをしない、絶対に会わないよう強調。「悩みがあれば身近な人や窓口などに相談してほしい」と伝えた。

　参加した生徒は「これからネットやＳＮＳを利用する時は、使い方に気を付けていきたい」と感想を述べた。

　同校は今後も人権教室を推進。２４日に２年生対象のＬＧＢＴＱ講話、１０月ごろに３年生対象の弁護士講話を行う。

(札幌市 2024-06-20付)